異物混入問題に関する原因と対策方法

異物混入問題に関する原因と対策方法

【はじめに】異物混入問題に関する原因と対策方法

こんにちは!
ホコリ・異物混入対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私たちは、集塵機の先端に取り付ける集塵フードなどをオーダーメイドで製造しています。

突然ですが、「異物混入対策」という言葉を聞くと、皆様は何を思い浮かべますか?

  • 飲食店の料理に髪の毛が混入していた
  • 食品メーカーなどの異物混入事件
  • 購入した電化製品などの動作不良

など色々な事がありますが、これら全てに共通している事は、
「消費者が満足、安心して利用する為に企業が解決すべき永遠の課題」だと思います。

しかし、生産工場には常に人がいて、機械が動いている状態なので、どれだけ衛生面に気を使っていても、工場内での異物は必ず発生してしまいます。
そのため、発生する異物をゼロにする事を考えるのではなく、それらが製品に付着しないような仕組みを作っていく事が大切です。

異物混入という言葉の意味としては、ただ単純に製品に余計なものが混入しているという事ですが、細かく分析すると、

  • 消費者目線
  • 生産者目線

という2つのカテゴリに分類されます。
つまり、消費者目線で考える異物混入問題と、製造業者の目線で考える異物混入問題では、考え方と対策方法が全く違うという事です。

この記事では、異物対策に関して深堀をして、どのような対策を講じるべきかについて言及していきます。

【消費者目線】で考える異物混入問題

消費者の視点での異物問題は、実際に消費する人、つまりお客様によって判断されます。
つまり、消費者がこれはおかしい!と言った時点で問題となってしまうのです。

しかし、大人しい性格の日本人はあまり直接的なクレームなどを言わない傾向があり、
不快に感じる事があっても、わざわざ指摘はしないという方が多いみたいです。

余程人体に影響があるような物が食品に紛れ込んでいて本当に不快に感じた場合や、高額な電化製品を買ったのに全く動かない時など、
自分や家族に大きな損害が発生する時だけ指摘するという方も多いのではないでしょうか。

言い換えると、消費者が教えてくれないと気が付けないような異物問題の発生件数は、私達が想像する以上にあり、
知らず知らずのうちに周囲の信頼を失う異物問題の事を、消費者目線での異物混入問題と定義します。

一番わかりやすい例が「食品」です。

例えば、スーパーでサラダを購入した人が、サラダの中に髪の毛が入っている事に気が付いたとします。
もし、それが自分だったらどうしますか?
クレームを入れますか?

消費者がクレームを入れる場合

一般的には、まず購入したお店にクレームが入ります。
するとそのお店は、交換や返金などの対応を行った後に本部に報告します。

1度だけなら「次からは気を付けようね」という注意だけで終わるかもしれませんが、
もしこのような事案が何度か続いた場合、会社として原因究明に本腰を入れるはずです。

そして、もしスーパー内で加工などを行っていない場合、卸売業者へ報告します。

このようにエンドユーザー、スーパー、卸売業者を全て巻き込んで明るみになるため、
変な噂が回りやすく、多くの人を巻き込んでしまうという特徴があります。

エンドユーザーは、「あのスーパーの食品には髪の毛が入っているから、買わない方がいいよ」と友人に言いふらし、
スーパーは、「あの卸売業者の取り扱っているサラダは髪の毛が入っているからダメ」とグループ会社全体で悪い評判が広まり、
卸売業者は、「あのメーカーは最悪。違うメーカーを探そう」という悪いお墨付きをもらってしまうでしょう。

消費者目線で考える異物混入問題クレーム編

消費者がクレームを入れない場合

もしお咎めなしにする場合、スーパーや製造業者にこの事実が知れ渡る事はないでしょう。
しかし、友人には、「あのスーパーで食品買ったら髪の毛が入っていた」と不満を漏らす方も一定数いると思います。

すると、時が経つにつれて噂が誇張されて広まり、虫が入っていたなど、ある事ない事を憶測で言われてしまいます。

 

消費者目線で考える異物混入問題クレーム編2

このように、消費者がどちらの選択を取ったにしても、その会社は、「周りからの信頼」を失ってしまいます。

【消費者目線】異物混入の原因とは

では、そもそもなぜこのような異物混入問題が起こってしまうのでしょうか。
考えられる主な原因は2点あります。

  • 生産過程でたまたま入ってしまった。
  • 製造業者の従業員が故意に入れた。

実際にこのような卑劣な事件を巻き起こす人がいても、従業員がわざと混入させたのに対しては、最も重い責任は犯人にあります。
自社の規定や法に則り厳しく取り締まれば良いのですが、もし故意ではない場合、責任を追及しようがありません。

過失ではない混入異物でよくあるのが、
髪の毛やホコリ、虫などです。

例えば、健康な人間の髪の毛は、1日に50~100本抜けると言われており、
単純計算で、8時間勤務したら、16~33本となります。

もし50人が同時に作業していたら、たった8時間で、800~1650本の髪の毛が工場のどこかに抜け落ちている計算になります。

異物混入の原因

このような生理現象を止めさせることは出来ないので、会社として対策しなければ改善は見込めません。

異物混入対策の基本3原則

異物混入対策の基本①持ち込まない

自宅やオフィスなどから工場の製造スペースに異物を持ち込まないようにする必要があります。
具体的にやる事は、ズバリ静電気対策です。

子供の頃、下敷きを頭に擦り付けて遊んだ経験はありますか?
静電気が発生し、下敷きに髪の毛を吸着させる力が働きます。

それと同じように、作業服に静電気が帯電していると、髪の毛やホコリを吸着させてしまい、作業者が異物を工場内に持ち込んでしまうことになります。
除電器の設置や、除電用リストバンドなどを使用し、静電気の帯電を防ぐ事で、改善が見込めます。

異物混入対策の基本②落とさない

賛否両論あるかもしれませんが、エアシャワーの通過回数を増やす事です。
クリーンルームなどは人の出入りを極力減らした方が良いという意見もありますが、
異物を持ち込ませない対策がしっかりできていれば、頻繁に出入りする場合でも、更なる効果が期待できます。

何時間も作業していると、毛髪が作業着や帽子についてしまうことがあります。
だからこそ、定期的に休憩などを挟み、その都度、ローラー、エアシャワー、除電の工程を通過する必要があります。

異物混入対策の基本③留めない

人間の身体というのは不思議なもので、どれだけ気を付けていても工場内に髪の毛やホコリは発生してしまいます。
だからこそ肝心なのは、「すぐに清掃、除去する」事です。

なぜなら、人は動いた時に僅かな風が発生します。この微風によって、異物が色々なところに飛んでしまう為です。
理想としては、1時間に1回以上、掃除機を使わず床の清掃を行う事です。
どうしても掃除機が必要な場合は、クリーンルーム用の集塵機というものを導入すると、劇的な改善が見込めます。

消費者目線で考える異物混入問題の結論

消費者目線で考える異物混入問題は、非常に残念ですが、なかなかプラスを産みません。
年々クオリティが向上している現代のものづくりは、安心・安全が当たり前になりつつあるため、
何か一つ間違えるとメディアやSNSで袋叩きにされてしまう時代とも言えるでしょう。

だからこそ、ユーザーに信頼してもらう為に、当たり前とも言える単純なことを、当たり前に徹底する必要があるのではと、私はと思います。

【生産者目線】で考える異物混入問題

次に、生産者の視点での異物混入問題について考えていきます。
これは、実際にユーザーの手元に届く前に発覚する異物混入問題で、一言で言うと、大きな機会費用を失う異物問題の事をいいます。

自社内で食い止められているのであまり公にはなりませんが、
発生件数だけで比較すると、消費者に指摘される事例より圧倒的に多いです。

例えば、1台20万円のテレビを1日に100台作っている工場で、不良品が10%発生しているとします。
1日あたり10台、工場を毎日稼働すると、1か月あたり300台、年間3,600台の不良品が発生している計算になります。
もし不良品が発生しないと考えると、年間3,600台×20万円=7億2,000万円分の売上を捨ててしまっている事になります。

生産者目線で考える異物混入問題の機会損失図

このように、目に見えない大きなお金が毎日失われている為、企業は日々頭を抱えています。

【生産者目線】異物混入の原因とは

では、なぜ異物によってこのような損失が生まれてしまうのでしょうか。

理由はたった一つ、
「商品を製造しているから」です。

矛盾しているように聞こえますが、物を製造する際には、「切る」、「削る」、「くっつける」という3つの工程があります。
物を切った時に発生する「切りくず」と、物を削った時に発生する「削りカス」。
異物が付着した状態で、その部品同士を「くっつける」という工程が加わり、製品の中に異物が混入していくのです。

この流れで発生した異物の事を「粉塵」と呼びます。

どれだけ大きな製品でも、細かい部品が中に沢山あり、それらを中に敷き詰める為に精密な作業が求められます。
こうして製品の中に粉塵が紛れ込み、初期不良などの原因となります。

【生産者目線】異物混入をどうすれば解決できるのか

粉塵の発生しない生産工場はこの世に存在しないため、世界中全ての工場で何かしらの対策が講じられています。
一般的な粉塵の対策方法は、「吸う」もしくは「飛ばす」のどちらかです。

一般的な粉塵の対策方法①吸う

発生したホコリや粉塵を掃除機のような機械で吸引させる方法です。
この掃除機のような機械を「集塵機」と言います。
集塵機

一言で説明すると、巨大な掃除機の事ですが、吸引の継続時間、ゴミを溜めるフィルターの大きさなどが違っており、強力な吸引力で長時間使用する事が可能です。

ただ1点大きく異なるのは、先端のヘッドの有無です。
掃除機のイラストを描くと、こんな感じです。

このように、先端のヘッドまでがセットなのが掃除機ですが、集塵機には付属されていません。
つまり、集塵機の先端部分は自分達で製作しなければいけないのです。

【メリット】

  • 作業者の負担が大きく減り、清掃にかかる人件費を抑えられる。
  • 吸い取った粉塵が1箇所にまとまるので、日々の清掃が楽。

【デメリット】

  • 先端のフードなどはユーザーが自分で作らなければいけない。
  • 空中に飛散している粉塵の吸引が主な使用用途のため、製品に付着した粉塵は吸引しきれない事が多々ある。

一般的な粉塵の対策方法②飛ばす

製品に付着した粉塵を、エアーの圧力で吹き飛ばす方法です。一般的には、エアブローガンと呼ばれています。

製品に付着した粉塵をエアーの圧力で吹き飛ばすエアブローガン

【メリット】

  • 掃除したい部分のみを綺麗に清掃することができる。

【デメリット】

  • 自動化できないため、人件費がかかる。
  • 周囲にまき散らしているだけなので、製品の再付着や、設備汚損の懸念がある。

一般的な粉塵の対策方法③飛ばして吸う(※現代の新技術)

  • 集塵機は空中に飛散している粉塵を吸うのが得意
  • エアブローガンは粉塵を飛ばすのが得意

どちらも良い所はあるけど、デメリットもあるしなー、、、
そうだ!この両方の良い所取りしてやろう!
というのが現代の異物混入対策の新技術です。

 

また、エアブローガンの先端が高速回転するため、一度で広範囲を清掃することが出来て、エアー供給量の節約もできます。
実はとってもお得で効率的な環境改善システムが日本に存在しているのです。
ご興味のある方は是非こちらのお問い合わせフォームよりご連絡下さい。

ノズルと集塵機集塵システムの専門企業ディーオお問い合わせはこちら

生産者目線で考える異物混入問題の結論

粉塵が発生するのは決して不衛生という訳ではなく、当然の事だと思います。

だからこそ、発生した粉塵をどのように上手に、効率的に除去する事が肝になります。

お金をかけずに改善する事は大切ですが、手作業での清掃にこだわりすぎるのは、かえって無駄なコストとなっている可能性があります。

異物・粉塵について課題がある場合、思い切ってプロに任せてみるのもアリだと思います。

【最後に】異物混入問題に関する原因、対策方法まとめ

以上が「異物混入問題に関する原因、対策方法」でした。

まとめますと、異物混入問題は、消費者目線と生産者目線の2つの考え方があります。

【商品者目線】異物混入問題

失うもの:周囲の信頼

事例:異物混入事件

原因:人的要因

対策方法:基本3原則の徹底

結論:プラスを産まないが、当たり前のことを徹底するのみ

【生産者目線】異物混入問題

失うもの:機会費用

事例:不良品

原因:致し方なく発生する粉塵

対策方法:吸うor飛ばすor飛ばして吸う

結論:思い切ってプロに任せてみるのもアリ

異物混入対策というのは元々、自社で何とかするのが当たり前という風潮が古くからあり、
お金をかけて改善装置を開発する企業があまり存在しておりませんでした。

そのため、環境改善機器の業界は発展途上の期間が長く続き、結果的に企業は未だに品質向上に対する大きな課題を抱えております。

それでも不良品を減らす為に、作業者の方が時間をかけて一つ一つ丁寧に掃除しているのが現状です。
昔はそれで良かったのかもしれませんが、労働人口の減少に伴い、清掃に時間を費やせる労働者が減ってしまっている現代では、
人に頼らずに効率的に異物対策をしていく必要があります。

そんな全ての製造業者の進歩の為に、私達、株式会社ディーオは異物混入問題解決のリーディングカンパニーとなるべく、
改善装置の開発に日々勤しんでおります。

異物・ホコリ・粉塵対策でお困りの方は、まずは弊社のような専門メーカーにお問合せ頂く事を強く推奨致します。

株式会社ディーオは、設備環境改善に関するカウンセリングを無料で行っております。

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ありがとうございました~。

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