集塵装置が出来上がるまでの流れ

集塵装置が出来上がるまでの流れ (1)

こんにちは!
ホコリ・異物混入対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。

私たちは、集塵機の先端に取り付ける集塵フードなどをオーダーメイドで製造しています。

集塵機とは、粉塵対策に欠かせない機器で存在自体は幅広く知られているものの、それがどのような原理で動いており、
どのように機種を選定するなどの具体的な事はあまり知られていないのが現状です。

ただ少なくとも、この記事を読んでくださっている方の多くは、
集塵や集塵ノズルに興味があって検索して、ここにたどり着いている場合が多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では、工場の環境改善を弊社がサポートさせて頂く場合の、
一般的なプロセスなどについてご説明したいと思います。

ぜひ最後まで読んで頂けますと幸いです。

そもそも集塵装置とは?

除塵装置、集塵装置、除塵機など、色々な言い方がありますが、
「ホコリ・異物などを取り除く機械」みたいな意味で捉えて頂ければ概ね結構です。
ただ、除塵と集塵には若干の違いがあります

読んで字のごとくではありますが、「集塵」は、粉塵を集めることで、「除塵」は、粉塵を取り除く事を意味します。
つまり、粉塵を中心に考えるか、製品(ワーク)を中心に考えるかという、主人公が違っています

例えば弊社の場合は、エアブローやロールブラシなどで粉塵を剥離させてから吸引しているので、
ワークから剥離させた粉塵を集塵機で吸い集めることを「集塵」と定義しております。

一方、どのように異物をかき集めるかではなく、付着した粉塵を除去し、
大切な製品を粉塵から守ることを「除塵」というような言い方をします。

なので厳密に言えば、

集塵:粉塵を集める事
除塵:粉塵から製品を守る事

くらいでご理解頂ければと思います。

専門業者としては、明確に違う言葉であると認識していますが、
一般的に考えればどちらでも良いと思いますので、スルーして頂いても大丈夫です。
本記事では、一番馴染みのある「集塵」という言葉を使って書いていこうと思います。

集塵装置を製作するメリット

このような集塵装置は、品質管理においては沢山のメリットがありますが、

大きく分けて2種類に分けられますので以下に解説します。

集塵装置を製作するメリット①原材料費の無駄が減る

当たり前の話ですが、集塵装置は製品に付着した異物を除去してくれるので、
「不良品」が減るというのが最大のメリットだと思います。

今まで廃棄処分となっていた原材料をお客様に提供できるようになるので、機会損失が減る事になります。
仮に集塵装置が1000万円したとしても、年間1000万円分の不良品があるなら、たった1年でペイできます

集塵装置を製作するメリット②ホコリ対策で必要な手間や人件費が削減できる

製品に粉塵が付着しないように、作業者様の手で品質管理を行っている場合、
わざわざ高価な集塵装置を購入しなくても問題ないかもしれません。

短期的に見れば間違いないですが、その作業人数を永久に確保できる保証はありませんし、
人によって清掃クオリティが変わってしまう可能性もあるので、そこにお金を費やすくらいなら、
思い切って自動化するというのも大いにアリだと思います。

ディーオで集塵装置を製作する時の流れ

これまでの製造業の常識では、ホコリ対策は自社で何とかするのが当たり前でした。
しかし、自力で集塵装置を作る事は非常に難しく、集塵はもちろん、送風機についても深い理解が求められます。

そのような製造業者様は当然本業があるので、そこに必要以上の時間を使うわけにはいきません。
弊社は国内で唯一、オーダーメイドで集塵装置を製作しており、競合他社がいないので、多くのお客様は、

・どういう流れで依頼すれば良いの?
・製作期間は?
・いくらぐらいするの?

など、未だ不透明な事が沢山あると思います。
そこで、弊社で集塵装置を製作した場合、どのような流れになるのかを説明していきます

① お問い合わせ

先程お伝えした通り同業他社が少ないので、
「集塵装置」や「除塵装置」などで検索して頂きますと当社のHPが上位に表示されます。

クリックして、HP内の「お問い合わせフォーム」より、
打ち合わせのご希望日時を数日記載して送信頂きますと完了です。

※以下からもお問い合わせページに飛びます。
ご相談・お問い合わせ

② Webミーティング

ZoomやTeamsを使用して、現状やご要望、ご予算などについて、30分~1時間ほど打ち合わせを行います。
もちろん、弊社スタッフから誘導しますが、

・現状の写真や動画
・ワークの形状
・発生する粉塵の材質
・ゴール(どれくらいの大きさの粉塵が何%くらい除去できていれば合格など)

こちら3点の情報を予めご用意頂けると、打ち合わせがスムーズに進みます。

③ 検証テスト

実際のワーク、粉塵を弊社まで発送頂き、
「仮に弊社が装置を製作した場合、本当に粉塵を除去できるのか」について検証を行います。

実際に現場を見ないと判断できない事があれば、この過程でご訪問させて頂く事が多いです。

現場によってテスト形式は様々ですが、ご提供する機材は今後製作するので、
完璧にマッチした検証機材ではない可能性が高いです。

そのため、あくまで理論上、この検証で問題なければ実機でも問題ないだろう。
という環境を見つけるための試験
になります。

ワークサンプルと粉塵が弊社に届き次第、約5から10営業日以内に検証を行い、
報告書と構想概要のご提案書を合わせて提出させて頂きます。

④ 商流決定&概算費用の試算

検証データと提案書を基に、

・構想の説明
・概算費用
・商流

など、特に構想や価格帯などにズレが生じていないかを再度擦り合わせるミーティングを行います。
もしこの時点で金額や構想が合わない場合、仕様を落として除塵が出来ないかなどについて、
もう数回打ち合わせが必要になる可能性もございます。

この時点では、おそらくこの金額よりも高くなることはないだろうという推定の価格をご提示しますので、少し高めに設定しております。
肝心な「価格帯」についてですが、過去の実績ベースで見ると、

・小型のバッチ式除塵装置⇒50万円~300万円
・中型のインライン式除塵装置⇒500万円~700万円
・大型のインライン式除塵装置⇒800万円~1,500万円

くらいの価格帯でご提供している事例が多いです。
※あくまで参考なので、お客様によって本当にバラバラです。

そのため、この時点で「装置代金の回収スケジュール」を計算する事を強く推奨致します。
現状、廃棄ロスや、除塵にかける清掃費用がどれくらいかかっていて、何年で投資額を回収できるかを正確に確認し、
本当に進めるべきかをご検討頂く必要があると考えております。

⑤ 設計図の作成開始

ものづくりにおいて、構想を決めるのはあくまで夢物語のおはなしで、それが現実的に叶えられるのか?難しい場合、
どうすれば問題がないかなどを正確に判断するために、CADを使って設計図を作成していきます。

この段階で最も多いトラブルが、「寸法制限」です。
図面を書く事で、どれくらいの寸法が必要になるのかが正確に判ります。

もし生産ラインに集塵装置を設置するスペースが足りない場合、
構想を変更するか、設備のレイアウトを変更する必要があります。

⑥ 正式な見積書の発行

設計図を7割くらい完成させて、「どの位置にどの部品を何個くらい使う」などの試算をしますので、
その結果を基に正式なお見積書を発行させて頂きます。

⑦ ご発注

ネットショッピングであれば、注文ボタンをポチっと押すと翌日以降に勝手に届けてくれますが、
このようなオーダーメイドの装置は、残念ながらそうはいきません。

むしろここからが本当の勝負で、更に打ち合わせを重ねていく必要がございます。

⑧ 詳細設計図の打ち合わせ

注文後は、まず7割程度完成していた設計図を10割まで持っていく作業を行います。
なぜ7割程度で放置しているの?と聞かれることが稀にあるのですが、決して面倒だからという理由ではありません。(笑)
「このタイミングで、変更点がないかを最終確認するため」です。

ご注文までの流れをご説明しましたが、ここまで来るのに、早くて2カ月、遅いと半年以上の時間がかかっています。
お客様にもよりますが、稟議が承認されるまでの期間も含めると、1年くらいかかることもあります。

それだけ時間が空いてしまうと、いざご注文頂いても、やっぱこの部分を変えて欲しいなど、
仕様の変更依頼を受ける事が多々あります。

もし途中の段階でガチガチに設計してしまうと、変更時は一からやり直しとなってしまい、
追加分の設計費用が発生したり、納期、価格などが全て変わってしまう場合があります。

そのような、本来必要ないはずの出費を避けるために、当社では、
ご注文頂くまではあえて完成はさせないようにしています。

話が逸れてしまいましたが、この段階で本当にこの仕様で進めて問題ないか。などについて打ち合わせを行います。
これで問題が無ければ、必要部品の発注を開始します。

⑨ 立ち合い検証

製品がある程度出来上がった段階で、一度弊社までご来社頂いて、本当に粉塵が取れているのかを目視でご確認頂きます。

⑩ 出荷

立ち合い検証で問題なければ、製品をお客様先へ出荷致します。

ケースバイケースですが、設置工事、集塵機のダクト配管工事などが必要であれば、
後日工事をして、動作確認が取れれば検収頂き完了となります。

さいごに

以上が「集塵装置が出来上がるまでの流れをご紹介」でした。

いかがでしょうか。
想像以上に、お問い合わせから納品までのリードタイムが長いと思われた方も多いのではないでしょうか。
これがオーダーメイドの一番厄介なところかと思います。

予め形を決めて標準化してしまえば、価格も下がりますし納期も短くなりますが、
その形に当てはまらないお客様も多くいらっしゃると思います。

当社としても、部品を大量発注できるので原材料費が下がり、お客様に費やす時間が短くなるので、
ビジネスモデルとしてはその方が良いかもしれません。

しかし、そんなことをしてしまうと、その形に当てはまらないワークに付着した粉塵で悩んでいる
お客様と向き合う事が出来なくなってしまいます。そのため、私達は時間をかけて集塵装置をご提供しています。

株式会社ディーオは、全ての製造業者の進歩の為に異物混入問題解決のリーディングカンパニーとなるべく、
改善装置の開発に日々勤しんでおります。

剥離と吸引が同時に出来るディーオの集塵機

異物・ホコリ・粉塵対策でお困りの方は、まずは弊社のような専門メーカーにお問合せ頂く事を強く推奨致します。

株式会社ディーオは、設備環境改善に関するカウンセリングを無料で行っております。

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ありがとうございました~。

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