はじめに~【設計初心者&新入社員必見】CADってどこまで知ってる??パート2を説明する前に~
こんにちは!ホコリ対策装置の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私たちは、製造業向けの集塵機や集塵ノズルをオーダーメイドで製作しています。
それらの機械は、CADを使って設計しているのですが、もしCADで作られた設計図が正しく理解できなかった場合、
思っていたのと違う機械が出来上がってしまう可能性があります。
そのため、前回配信させて頂いた、Auto CADについての記事に関して、続きを書いていこうと思います。
是非最後まで読んで頂けますと幸いです。
前回記事;【設計初心者&新入社員必見】CADってどこまで知ってる??
業界初!フィルターが詰まると、スマホPCに通知
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機械設計を行うために必要な知識
前回もご説明しましたが、設計図面とは、
- 作る物を正確に伝える
- 情報を保存する
主にこの2つの目的があります。情報を正確に伝えるという事は、
言い換えると、作り手と買い手が誤解なく理解できる共通言語です。
英語に文法が存在するのと同じように、CADにも共通の考え方やルールがありますので、
下記のまとめを一緒に見ていきましょう。
ちなみに、ご説明する項目が多いので、箇条書きにまとめています。
ご興味のある項目だけ、目次から飛んで頂いても結構です。
図面の具備すべき基本要件
図面は、要求事項を達成するために、次の要件を満たしていなくてはならない。
- 要求される情報を含む。
製作図の場合には、対象物の図形とともに、必要とする大きさ・形状・姿勢・位置・質量の情報を含む。
必要に応じて、更に材料、加工方法、表面性状、表面処理方法、検査方法、図面履歴、引用規格・文書、図面管理などの情報を含む。 - 表題欄を設ける。
- ①の情報を、明確かつ理解しやすい方法で表現する。
- 曖昧な解釈が生じないように、表現、解釈の一貫性を持つ。
- 複数の技術分野との交流の立場から、
出来るだけ広い分野にわたる整合性・普遍性を持つ。 - 貿易及び技術の国際交流の立場から、国際性を保持する。
- 複写及び図面の保存・検索・利用が確実に出来る内容と様式を備える。
この7つのお約束を守るために、規格というルールが存在します。
次の章で企画について解説します。
規格
単語 | 意味 |
日本工業規格(JIS) | 日本でのルールみたいなもの |
国際標準化機構(ISO) | 世界でのルールみたいなもの |
社内規格 | 社内の独自ルールみたいなもの |
工場規格 | 工場の独自ルールみたいなもの |
※もし社内規格を社外で使う場合は、説明しなければならない
製図用紙の様式
用紙サイズ(第一優先)
・製図用紙を使うのに優先されるサイズはA0からA4
・ISOとJISのA列は同じだがB列は異なる
特別延長サイズ(第二優先)
長い用紙が必要な場合、A3、A4サイズの短辺を整数倍した長さの用紙
例外延長サイズ(第三優先)
大きい用紙が必要な場合につかいA列の用紙の短辺を整数倍した長さの用紙
表題欄
図面に描かれている内容を特定するもの
一般的な表題欄の内容
- 図面
- 図面番号
- 尺度
- 投影法
- 作成年月
- 承認欄
表題欄の位置
表題欄は用紙の右下で170ミリ以下でなければならない
輪郭と輪郭線
単語 | 意味 |
輪郭 | 紙の余白部分 破れても大丈夫なような部分 |
輪郭線 | 輪郭の境目部分 |
綴じ代
単語 | 意味 |
綴じ代 | 穴をあける部分 |
中心マークの位置の大きさ
単語 | 意味 |
中心マーク | 図面の位置決めをするためのもの 必ず設けないといけないもの |
設けてもよい要素
・方向マーク→製図用紙の向きを示すもの
・比較メモリ→図面を拡大縮小したときに比較できるためのもの
・格子参照方式→図面の輪郭部分をいくつかに分割して文字を書くところ
・裁断マーク→図面を複写した際に用紙の裁断が必要な時に、四隅に付ける
線の種類と文字
図面で使用する線
JISに定められている線
基本形の15種類と変形の4種類が存在する。
主に使用する線
単語 | 意味 |
実線 | 途切れることなく続く連続線 |
破線 | 短い線がすき間をあけて繰り返される線 |
一点鎖線 | 長い線と短い線が交互に繰り返される線 |
二点鎖線 | 長い線と2つの短い線が繰り返される線 |
図面で使用する文字
- ローマ字
- 数字
- 記号
- ギリシャ文字
- 平仮名
- 片仮名
- 漢字
図面の尺度
尺度とは
尺度とは、対象物の実際の長さ寸法に対する原図を示した対象物の長さの寸法の比を指します。
尺度の種類
単語 | 意味 |
倍尺 | 小さいものを拡大して作図 |
縮尺 | 大きいものを縮小して作図 |
現尺 | そのままの大きさで作図 |
尺度の比率
倍尺 〇:1 例 2:1 図面内の2ミリは実際の1ミリ
縮尺 1:〇 例 1:5 図面内の1ミリは実際の5ミリ
現尺 1:1
図面で使用する尺度
推薦尺度と呼ばれており、実は使用する尺度はだいたい決まっている。
倍尺:左が2・5・10・20・50で10の二乗の100をかけた500:1や200:1も推薦尺度
縮尺:右が2・5・10で10の整数乗をかけたのが推薦尺度で10の4乗の10000をかけた
※1:20000や1:50000も推薦尺度
中間尺度
推薦尺度では不十分なので中間の尺度も用意されている。
倍尺:左に5√2・2,5√2・√2で10倍をしたりする
縮尺:右に√2・2√2・5√2・1.5・ 2.5・3・4・6で10倍をしたりする
さいごに
以上が、「【設計初心者&新入社員必見】CADってどこまで知ってる??パート2」でした。いかがでしょうか。
専門用語が多いので、一つ一つ理解していく必要があるので、なかなか大変だと思います。
しかし、誤解を恐れずに言わせて頂くと、これらは基本的な用語に過ぎないので、いざ現場で設計図の話をする際、
誰もが知っていて当然のレベルです。
今日お話しした内容は当たり前すぎて、残念ながら話題にもならないかもしれません。
これらを知っているふりをして、もし理解していない事を見抜かれてしまった時には、
既に取返しのつかない段階まで進んでしまっている場合が多いので、そうならないようにも是非習得して頂けたらと思います。
最後、とても嫌な言い方になってしまい申し訳ありませんが、
皆様の設計図の勉強に、少しでも役に立てれば誠に嬉しいです。
次回も、Auto CADについてお話をしていきたいと思います。
ありがとうございました!!
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