使用中の集塵機が適切かを見極める方法

使用中の集塵機が適切かを見極める方法

はじめに ~使用中の集塵機が適切なのかを見極める方法を解説する前に~

こんにちは!
ホコリ・異物混入対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私たちは、集塵機の先端に取り付ける集塵フードなどをオーダーメイドで製造しています。

日々活動する中で、多くのお客様から集塵に関するご相談を頂くのですが、
皆さん共通して、「参考文献が少なく、わかり辛い」と仰っております

確かに私がこの集塵業界に入った最初の頃、参考文献が少なく、
勉強したくても教材がないため、習得するまでかなり苦労した記憶があります。

私の場合は既にこの業界に就職してしまったので、嫌でも覚えなければいけませんでしたが、
もし違う業界に居たとすれば、必要であったとしてもわざわざ集塵について勉強する事はなかっただろうと思います。

そこで私たちは、どんな職種の方でも、読めば一発で理解できるように言語化した記事を配信すれば、
ホコリ対策でお悩みの方のお役に立てるのではと思い、定期的にこの集塵ブログを配信しております。

製造業にお勤めの方には、お役に立てそうな記事が沢山ありますので、是非読んでください。

本日のテーマは、「使用中の集塵機が適切なのかを見極める方法」になります。

現在集塵機を使用しているが、効果がイマイチだと感じている方や、
集塵機を買い換えたいとお考えの方には、特にマッチした記事です。

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集塵が出来ているのかを目視で確認する方法

これって本当に集塵出来ているの?という疑問を持った時に、その効果を確認する方法はいくつかございます。

色々ありますが、大きく分けて、

・目視で確認する方法
・数字で確認する方法

の2つに分かれます。

まず、集塵能力を目視で確認する場合、主に3つの方法があります。

吸引口に手を当ててみる

シンプルですが、吸引口に手を当ててみると、どれくらいの強さで集塵しているかを体感できる思います。
ただ、大きな落とし穴があるので注意してください。

集塵機は、掃除機と同じような機械だとイメージしている方が多く、
ノズルが手に吸い付く感覚が弱ければ「集塵が弱い」と判断してしまう方が沢山います。

ですが厳密に言うと、

・掃除機は、吸引圧力が強いが、風量は少ない。
・集塵機は、吸引圧力は弱いが、風量は大きい

という細かな違いがあります。

単純に手を近づけて、どれくらいの強さで引っ張られるかという力は、
厳密に言うと吸引圧力のお話なので、当然掃除機の方が強くなります。

その力の差で言うと、集塵機は掃除機の3分の1くらいと言われております。

風量が出ているかどうかを判断する必要があるので、
決して吸引圧力だけを見て、弱いと決めつけないようにご注意下さい

意地悪テストを行う

手の感覚だけではなかなか判断しづらい部分もあると思いますので、
もう少し手を加えてみないと判別が出来ないという方もいらっしゃると思います。

そういった場合は、実際のワークを使って検証してみてください。

いつも発生している粉塵を予め溜めておき、ワークにあえて付着させ、集塵が出来ているのかを検証します。
実際よりも多く付着させるという事を意識してみてください。

粉塵量をビフォーアフターで比較する事が出来るので、「何か対策をしなければマズイ」というアピールになると思います。

使用中の集塵機が適切なのかを見極める方法①

ドライアイスで空気の流れを追う

なんとなく集塵が弱いという事はわかった。ただ、どれくらい空気を吸い込んでいるのかを正確に知りたい場合、
空気に色を付けて集塵機を動かせば、風の気流は一発で分かります。

特殊なカメラを使うと高いですし、本物の煙を使うのは安全性を考えると良くないので、
ドライアイスを使って検証するというのがオススメです。

使用中の集塵機が適切なのかを見極める方法②

ワークを置く位置にドライアイスを置き、その煙の気流を見ることで、正しく集塵出来ているのかを確認する事が出来ます。

以上、3つの検証方法をご紹介しました。
これらの判断基準は個人の感覚に委ねられますが、誰でも簡単に出来て、多くの人になんとなく理解してもらえるでしょう。

集塵が出来ているのかを数字で確認する方法

先程ご紹介した方法は、簡易的に集塵能力を調べる方法としてよく使われますが、

最も肝心な、「で、どうするの?」という次の選択まで繋げることが出来ません。

集塵機を使用する会社の殆どは製造業なので、個人ではなく会社が集塵機を購入します。
つまり会社に新しい集塵機を買ってもらうためには、当然ですが、

「社長!この集塵機、ちょっと弱いでしょ?手を当ててみてください!」

といった交渉はいちいち出来ませんし、稟議の承認を得るためには、根拠が足りません。
だからこそ、集塵機を買い換える場合は、数字による証明も必要となります。

必要風量の出し方

過去に記事に纏めておりますので、集塵機の風量計算方法を詳しく知りたい方はこちらも合わせて読んでみてください。

基礎から集塵シリーズ 第二弾 ~集塵フードの設計方法~

【上級編】集塵機の計算方法や選定の 注意事項まで全部解説!

色々と細かい内容が記載されていますが、要するに、

フードの断面積×ダクト管内風速×60という式を使えば必要な風量がわかります

例えば、焼き肉屋さんのフードを、直径200㎜で製作する場合で考えると、

[0.1m×0.1m×3.14]×2m/sec×60 → 3.768㎥/minの風量が必要になります。

また、この計算をすることによって。
・フードの断面積
・必要風量
・必要ダクト管内風速

3点の情報を整理する事が出来ます。

検算方法

先程の計算式が頭に入っている前提とはなりますが、上記の計算を行い、
3.768m/min以上の風量が出ていれば集塵機は問題なし。

それ以下であれば、風量が足りていないので、フードを作り直すか、
集塵機の買い替えを検討するというような流れになります。

ズバリやる事としては、

フードの情報を整理し、集塵機の風量を調べて、風量と風速が足りているか確認。です。

先程の例題を使って考えてみますと、

① まず初めに、先程の計算によって得た情報を見ます

・断面積:0.1m×0.1m×3.14=0.0314㎡
・必要な風速:2m/sec
・必要な集塵風量:3.768㎥/min

という情報が先程の計算で分かっています。

② 次に、集塵機の風量を調べます

現状の集塵機の型式が機材のどこかに必ず書いていますので、それを探して、
メーカーにどれくらいの風量が使用点で出ているのかを問い合わせます。

ここで教えてもらった数字が、本来必要な風量に満たない場合、
既に計算ミスが発生しているので何らかの対処が必要です。

主な原因は、
・そもそも選定ミスをしている
・集塵機を購入した後にフードを設計した

このどちらかに当てはまっている事が多いので、一度確認してみて下さい。

また、使用点ではなく、最大風量と最大静圧しか教えてもらえない場合があります。

よくある話なのですが、実際にどれくらいの性能が出ているかは、現場に行って圧力損失の計算など、
かなり細かく見ないと判らないので、集塵機メーカーとしては、明言を避けたいのが正直なところです。

その場合は、弊社のような集塵設備の装置メーカーに問い合わせて頂くのが良いと思います。

③ 最後に、どれくらいの風速で空気が流れているのかを検証します

使用中の集塵機が適切なのかを見極める方法③

ピトー管と呼ばれる機械をフードに近づけて測ります。

詳しい原理、使用方法などについては、別の記事を作成してご説明しようと思いますので、今回は割愛させて頂きます。
ここで出てきた数字が実際に流れている風速になるので、これが理論上必要な数字を上回っているのかどうかを見ます。

風量が満たない場合

以上で適切な集塵機を使用しているのかを判断するために必要な情報が全て揃ったのですが、
そもそも書いている風量に満たない場合、
選定ミスもしくは、フードが大きすぎるというどちらかの理由に当てはまっている事が多いです。

先程軽く触れましたが、該当した多くのお客様には、「集塵機を買ってから、自分達でフードを作成した」というケースがよくあります。
先程の計算式で説明した通り、フードの寸法設計が決まらないと正しい集塵機を選定できないので、ご注意下さい。

風速が満たない場合

一方で、風量は問題なさそうだが、風速が既定の数字よりも下回っている場合もございます。
過度な圧力損失が発生しているか、ホースの線径を間違えているかのどちらかに該当しているケースが多いです。

集塵のホースは、太ければ太いほど一度に吸い込める風が多くなるので、
大きな風量を必要とする時は、そこそこ太いホースを何本も付けなければいけません。

ですが1本あれば十分だろうと考え、細いホースを1本しか付けていないという可能性もありますので、
ホースの選径を見直す必要があります。

こちらも記事にまとめておりますので、合わせて読んでみてください。

【前半】基礎から集塵シリーズ 第三弾 集塵機を買ったのに粉塵がとれない

さいごに

以上が「使用中の集塵機が適切かを見極める方法」でした。

いかがでしたか。
本や集塵機メーカーの情報などだけを見るとかなり難しそうですが、噛み砕いてみると、
意外と理解できる内容だと感じた方が、1人でも多くいらっしゃると幸いです。

このように、本来必要な数字を正しく算出すると、
誰もが納得できる形で集塵機の買い替えを推し進める事が容易になります。

異物混入対策というのは元々、自社で何とかするのが当たり前という風潮が古くからあり、
集塵環境の改善を行う産業自体があまり発展しておりませんでした。

そのため、企業様は未だに品質向上に対する大きな課題を抱えております。
それでも不良品を減らす為に、作業者の方が時間をかけて一つ一つ丁寧に掃除しているのが現状です。

昔はそれで良かったのかもしれませんが、労働人口の減少に伴い、
清掃に時間を費やせる労働者が減ってしまっている現代では、人に頼らずに効率的に異物対策をしていく必要があります。

そんな全ての製造業者の進歩の為に、私達、株式会社ディーオは異物混入問題解決のリーディングカンパニーとなるべく、
改善装置の開発に日々勤しんでおります。

剥離と吸引が同時に出来るディーオの集塵機

異物・ホコリ・粉塵対策でお困りの方は、まずは弊社のような専門メーカーにお問合せ頂く事を強く推奨致します。

株式会社ディーオは、設備環境改善に関するカウンセリングを無料で行っております。

ご相談・お問い合わせ

ありがとうございました~。

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