食品業界向け!異物対策について知っておきたい事
こんにちは!
ホコリ・異物混入対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私たちは、集塵機や、その先端に取り付ける集塵フードなどをオーダーメイドで製造しています。
本日の記事では、主に食品関係の生産工場にお勤めの方を対象にした記事を書いていきたいと思います。食品と言えば、やはり衛生管理が命ですよね。
その環境を維持するために設備投資を惜しまない会社様が多く、いつも現場を回っていて本当に素晴らしいなと感銘を受けています。
ただ、中にはお金をかけなくても解決できることも沢山あり、基本に忠実な異物対策を行う事の重要性を感じております。
このようなお話をすると、「異物除去の基本って何よ」と言われることが頻繫にあります。食品加工時に生じる粉塵対策は、製品の品質、衛生、安全、作業環境に大きく関係し、業界における一大課題となっています。
食品工場における粉塵の発生源は多岐にわたり、その対策には専門的な知識と慎重な計画が必要です。今回の記事では、食品工場向けの異物対策の基本ポイントをおさらいしたいと思います。是非最後まで読んで頂けると幸いです。
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ポイント1:適切な集塵機の選定
集塵機を選定する時は、粉塵の種類と粒子のサイズの認識が重要になります。
判断基準の1つとして、外的要因かどうかという考え方があります。
例えば、パン工場の場合、パンの中に異物が混入していたという事態が最も避けたい問題ですよね。その異物が、工場の外から入ってきた異物なのか、工場の中の異物なのかを考えます。
- 工場外の異物の場合
工場外の異物と仮定するなら虫やゴム片などの大きなものが対象になるので、大きなものを持ち上げられる集塵機を選定する必要があります。
- 工場内の異物の場合
工場内の異物であれば、ホコリや髪の毛などの小さなものが対象になり、クリーンルームにも対応しているステンレス素材の集塵機を選ぶ必要があります。
食品工場で発生する粉塵はその種類と粒子のサイズが異なるため、適切な集塵装置の選定は、初めに粉塵の特性を把握する必要があります。粒子のサイズ、発生量、化学的特性などを調査し、最適な集塵機を選ぶことが重要です。
また、食品工場における集塵機のフィルター選定は、食品衛生法などの規制を厳密に遵守する必要があります。集塵機の値段はピンキリで、安価な製品の中には、そもそも排気フィルターが付いていないような機種もあります。
そのため、クリーンルーム内に設置するのであれば、排気フィルターは絶対必要ですし、できればHEPAフィルターを選んでおきたいですね。フィルター材質の選択やメンテナンススケジュールなど、詳細な計画は非常に重要です。
ポイント2:定期的なメンテナンスと清掃
メンテナンスプランの策定は、意外とやっていない会社様が多く、これをやるかどうかで大きな違いが生まれてきます。
掃除機で例えると、フィルターが詰まったら、都度交換していますよね?それを交換せずに使い続けたら、吸引力は当然落ちますし、モーターが厚くなって故障の原因にもなります。
集塵機の場合は、そのように管理しなければいけないフィルターが3つも存在します。
- 一次フィルター
- 二次フィルター
- 排気フィルター
しかも、一次フィルターは交換ランプが点灯する機種もありますが、二次フィルターと排気フィルターに至っては、交換時期を教えてくれる機能がないので、作業者様が定期的にメンテナンス・交換作業をしていく必要があります。
粉塵が蓄積しないようにするため、全体の清掃計画を立て、定期的な清掃を実施します。計画的なメンテナンスを行うことで、装置の性能を常に最適な状態に保ちます。
ポイント3:適切な換気システムの設計と設置
集塵機は、空気を吸引する機械ですので、当然吸った空気を吐き出す排気口が存在します。
その換気のシステムが正しく構築されいなければ、吸い込み風量が落ちて、その集塵機が本来持つ能力が発揮できなくなります。
よくある事例が、「騒音対策」です。
一般的な集塵機は、65~70㏈くらいの騒音(ホース接続時)が発生しますので、この音を小さくしたい時は、集塵機自体をボックスで囲います。
ここで、空気を通さないくらい頑丈に密閉すると、確かに騒音値は大きく下がりますが、下がった騒音に比例して、吸い込める風量も小さくなります。
その他に、排気フィルターが壁に密着している場合にも似たような現象が起こりますので、今一度確認してみて下さい。
食品工場における換気は、作業環境の向上だけでなく、製品品質の保持にも直結します。適切な換気システムを設計し設置することで、粉塵の拡散を最小限に抑え、高品質な製品の生産をサポートします。
ポイント4:作業プロセスの最適化
筆者は色々な設備を拝見してきましたが、異物除去が効率よく行われている工場は、共通しているのは、「粉塵が発生する工程で都度解決している」ような印象を持っています。
【検査前のみ異物除去を行う場合】
【粉塵が発生する工程で都度解決する場合】
材質によっては時間が経った粉塵ほど除去が難しいので、できればその場で取り除いてから次の工程に進みたいところです。
しかし、ただでさえ寸法が限られているのに、その全ての工程で異物除去の機能を付けると、それだけでかなりのオプションとなり費用も跳ね上がります。
設備を設計するメーカーからすると、そこで必ず粉塵が除去できる保証もなく、全体のたった数%で発生する異物を完璧に取り除くよりも、それを見抜く検査工程にお金をかけた方が効率的なので、メーカー側としては、最後の工程で異物を吹き飛ばし、精密な検査工程を設けた設備を提案したいところです。
しかし、これから設備を作っていく場合や、比較的寸法に余裕があれば、粉塵が発生するプロセスを変更または改善することで、発生自体を最小限に抑えることができます。
これには、製造プロセスの全体的な見直しや、新しい技術の導入が必要になる場合もありますので、根本的なお話になってしまうかもしれません。
ポイント5:働き手の保護
異物が製品に付着しないように徹底するのも大切ですが、それと同時に、作業者様が粉塵に曝露しないよう、適切な保護具の選定と使用方法の教育も不可欠だと言えます。
食品工場であれば、吸い込む事で身体に危険が及ぶものを扱う可能性は低いですが、もし危険な物質を扱う可能性があるなら、ここでの取り組みは、作業者の健康と安全を守るだけでなく、良好な作業環境の提供にも寄与します。
微粒子防護用マスクを付けることで、作業者の危険を回避できる事に加えて、口からの飛沫などを未然に防ぐことにも繋がりますので、簡単ではありますが十分な粉塵対策ともいえるでしょう。
ポイント6:カスタマイズの製作依頼
異物除去対策に関する情報はインターネットで検索しても情報量が少なく、明確な正解という物が存在しません。
家庭での掃除方法と同じように、モップ、掃除機、雑巾がけなど色々な手法がありますので、自分に合っていて、綺麗になるならどれも正解です。
工場も同様で、それぞれの環境によって粉塵の種類や設置場所が異なりますので、規格品ではなく、必ずオーダーメイドで製作してくれる業者を見つけることで、効率的かつ効果的な対策が可能となります。
まとめ
食品工場における集塵対策は、多岐にわたる要素から成り立っています。
この記事では、その要素を細かく探求し、具体的な対策方法を提供しました。最先端の技術と最良の実践を組み合わせることで、食品の品質と作業者の安全性を確保しながら、効率的な生産を実現することが可能です。
専門の集塵機器メーカーやコンサルタントと連携し、最適なソリューションを開発することで、業界全体の向上を図りましょう。
株式会社ディーオは、設備環境改善に関するカウンセリングを無料で行っております。
異物・ホコリ・粉塵対策でお困りの方は、まずは弊社のような専門メーカーにお問合せ頂く事を強く推奨致します。
ありがとうございました~。
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