集塵機は減価償却できるのか?業界ごとに具体例を解説

【特集】集塵機は減価償却できるのか?2

はじめに ~集塵機は減価償却できるのかを解説する前に~

こんにちは!
ホコリ・異物混入対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私たちは、集塵機と、その先端に取り付ける集塵フードなどを
オーダーメイドで製造販売している粉塵対策の専門メーカーです。

突然ですが皆様にご質問です。

皆様の工場で集塵機を購入する時、申請はすんなり通りますか?

・新しい装置を導入するから集塵機が必要になる。
・今の集塵機が壊れたから、すぐに買い換えなければいけない。

などの理由は稟議は通りやすいのですが、
そうではなく、

・ホウキで毎回掃除するのが面倒だから集塵機が欲しい。
・今の集塵機は、少し吸引力が弱いから新しく買い換えたい。

などの理由であれば、
え?それを何とか頑張るのがアナタ達の仕事じゃない??と、無情に跳ね返されてしまう事が多いみたいです。

私の個人的見解としては、作業者様と上層部の方の両方の気持ちがわかります。

集塵機は何十万円もして高いですからね。
そんな機械を複数の場所に設置するとなれば、数百万円は軽く超えてしまいますが、
現場は困っているという事実は変わらないので、どうにかすべき問題であると思います。

そこで今回は、実際に作業をする現場の方が交渉しやすいように、「集塵機の減価償却」というテーマを、
経営者目線でお話しさせて頂きます。

少しでも参考になれば幸いです。

※本記事は、集塵機という製品の利便性を語るというよりも、
経営目線で見てそこまで購入難易度が高い機械ではないというご説明になります。

そもそも減価償却って何?

若年層(18~30歳くらい?)の方であれば共感して頂けるのではないかと思いますが、
エリートサラリーマンになった学生時代の旧友が、お酒の席で、「減価償却が〇〇で~」と
気持ちよさそうに語っている光景を目にしたことはありませんか?

そもそも減価償却って何?

実際に、減価償却とは?でググってみると、かなり複雑な専門用語がたくさん出てきますので、
知っていればとても知的に感じるかもしれません。

言葉の説明だけを読むとかなり複雑に感じますが、会社というものの仕組みから見ていくと
すごく理解しやすい内容になります。

簡単に言うと、会社というのは、物(材料)を買って、それに価値を付けて他の人に売るというだけの
非常にシンプルな構造です。

しかし、実際に会社を経営するためには、

・物(材料)を仕入れるためのお金
・買った物を保管する場所の賃料
・仕入れた物を管理したり、売り込んだりしてくれる人のお給料

など様々な諸経費が必要になります。
だから100円で仕入れた物を101円で売ったりしてしまうと、諸経費を支払うことができず、
会社は簡単に倒産してしまいます。

そもそも減価償却って何?倒産リスク

とはいえ100円で仕入れた物を500万円で売ろうとすると、今度は買ってくれる人が見つからなくなってしまいますので、
顧客に納得してもらえる適正な値段で販売し、きちんとした利益をどれだけ安定して生み出すことができるのかによって会社の価値が決まります。

そこに価値を感じてくれた金融機関や投資家がお金を貸して(出資して)くださり、そのお金を元手に良い物を仕入れ、
更なる利益を生み出し、出資してくれた人達に還元していくというのが、現代の株式会社の基本的な仕組みです。

あの会社は良い会社で、この会社は微妙。
などを漠然とした基準で判断をするのは非常に難しいので、
学生でいう通知表みたいなものを作って、
毎年どれくらいの利益を生んでいて、
周りの人にどれだけお返しをしているのかなどの
評価基準を作ることにしました。

これを「決算書」といいます。

決算書は、利益が出ていれば黒字、出ていなければ赤字というシンプルな考え方で、この決算書の見栄えが良いと、
銀行がたくさんお金を貸してくれたり、株主が増えたりと、良い事が色々と起きるので、
多くの会社は決算書の見栄えをよくするために頑張っています。

では、例えば、1億円の利益を生み出した会社が、事業を拡大するために2億円の工場を自己資金で購入したとします。

そうすると、その年は1億円の利益があるけれど、2億円の工場を買っているから、アナタの会社は1億円の赤字ね!
と判断されてしまう事になります。

これは、会社としては非常に納得がいかないと思います。

この仕組みのままだと大きな買い物がしづらいので、大型投資をする会社が減ってしまい、結果的には国家の経済が成長しないため、
「支払い自体はその年に一括でしているけれど、決算書上では何年かに分けて分割払いしている設定で良いよ」という仕組みを作ることにしました。

仮に20年間の分割で良いとなった場合、2億円の工場は、毎年1,000万円ずつの支払いという設定なので、

元の利益の1億円-1,000万円=9,000万円

が、その年の決算書上の利益という事になります。

そもそも減価償却って何?倒産リスク決算書上の利益イメージ

大きな買い物をしても赤字になりにくい仕組みを作ったことによって、
会社はどんどん新しいことに挑戦できるようになりました。

この仕組みを、「減価償却」といいます。
また、工場の代金自体はすでに支払っているので、決算書上での支払いの事を「償却する」という風に呼びます。

(細かい部分に触れると長くなってしまうので、この辺りにしておきます。)

集塵機は減価償却できるのか-耐用年数

この仕組みができると、じゃあ何年間に分けて償却しましょうか。というお話が浮上します。
2億円の工場を20年に分けて償却する場合、
毎年1,000万円を償却していくことになりますが、
仮に200年間に渡って償却した場合、
毎年たった100万円で済んでしまいます。

どうせ自社のお金なんだから何でも良いじゃないか。と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
みんながこれをやると困る人が出てきます。

金融機関と株主です。

先程からの例をそのまま引用すると、
20年で償却する場合、
1億円の利益-1,000万円=9,000万円がその年の利益ですが、
200年で償却する場合は、
1億円の利益-100万円=9,900万円が利益となり、
毎年900万円の誤差が出てしまいます。

そもそも会社が200年続く保証などないのに、これを認めてしまうと、
この会社の経営状態は本当に大丈夫なのか?という判断が難しくなり、
出資者がお金を出しづらくなってしまいます。

今は利益が少なくて経営が苦しいからとりあえず長めに償却しておこう!
という経営者が増えて、決算書の信ぴょう性が薄れてしまうため、
物によって償却できる年数を定める事になりました。

これを「耐用年数」といいます。

代表的なところから見ると、

・鉄骨、鉄筋コンクリートの建物 39年
・木造の建物 17年
・普通自動車 6年
・軽自動車 4年
・自転車 2年

などと、物によって全く違います。

そもそも減価償却って何?耐用年数

また、ここで重要なポイントが3つあります。

① サイズや金額で耐用年数が変わるという訳ではない
→車なら車というだけで判断するので、商業車も高級外車も耐用年数は6年。(普通車)

② 形がないものでも償却できる
→ホームページやアプリなどのソフトウェア(無形の固定資産)なども償却可能。

③ 中古品の場合は、償却できる年数が短くなる。
→基本的に中古品の方が価値は低いので、価値に応じた耐用年数を決めて公平性を保つ。

この辺りも一緒に知っておくと良いかと思います。

集塵機は減価償却できるのか

先程から不動産や自動車でご説明しておりましたが、減価償却を利用できる品物は、
実は非常にたくさんあります。

そこで、本日のお題である集塵機の減価償却についてのお話をさせて頂きます。
基本的な減価償却に関する知識がないとご理解頂けない内容のため、
前振りが少し長くなってしまいました。申し訳ございません。

結論として「できる」が、耐用年数はユーザー様の業種による。

集塵機は、不動産や車と同様に減価償却が可能です。
言葉を変えると、集塵機は節税対策にも使える製品であるという事です。

しかし、耐用年数に少しカラクリがありますので注意してください。

集塵機の耐用年数は、
ユーザー様の業種によって異なります。

・食品関係の会社は10年
・繊維関係の会社は7年
・木材関係の会社は11年
(住宅、家具関係の木材の会社は8年)
・自動車関係の会社は9年

集塵機は減価償却できるのか?結論として「できる」が、耐用年数はユーザー様の業種による。

などといったように購入する製品は同じでも、
ユーザー様の業種によって耐用年数が変わってしまうのです。

だから、「集塵機 耐用年数」と検索しても正しい情報を得ることができず、
よくわからないままになっているのだと思います。

業種は、55個の項目に分けられていますので、その他の業種気になる方は、
お近くの国税局もしくは顧問税理士にお問い合わせ頂くのが確実だと思います。

大体10年前後なので、ここからの例は10年の耐用年数という前提でお話させて頂きます。

「社長が税金対策で車を買った。」

というようなお話を聞いたことはありますか?

この意味を解説すると、
法人税は、税法上の所得金額である課税所得に対して課せられます。

つまり、課税所得が多ければ多いほど、
法人税を多く払うことになります。
(資本金額などによっても異なります。)

課税所得とは、「収益-諸経費=課税所得」の計算式で求められます。
要するに、税金を払う前の利益の額ですね。

会社の業務に必要となる車を購入した場合、
車の購入金額などの諸経費を多く計上されるで、
その課税所得を少なくすることができます。

このように、課税所得が少なくなることで法人税の削減に繋がるため、
税金対策という名目で車を購入する社長がいらっしゃるという事です。

(ここからはちょっと難しいです。)

例えば、新車の普通自動車を300万円で購入したとします。
税務上の計算方法は、まず、1÷耐用年数という計算で、償却率という数字を求めます。

普通自動車の耐用年数は6年なので、
1÷6年=0.166666(約0.167)

購入金額に、この0.167という数字を掛けると、毎年の償却可能な金額が出てきます。
300万円×0.167=501,000円

つまり決算書上では、購入後6年間は、
毎年501,000円分の分割支払いのような形で
車を購入できることになります。

これと同じように集塵機を購入して、
節税をするという事です。

耐用年数は10年の業種の会社が
50万円の集塵機を10台購入した場合、
1÷10(耐用年数)=0.1(償却率)

500万円(集塵機総額)×0.1(償却率)
=50万円(毎年の償却額)

という計算になります。
利息が付かない分割払いみたいな感覚ですかね。

ここで言いたいのが、耐用年数が10年あるので、10台まとめて買ったとしても、
決算書上は毎年1台しか購入していないという事になります。

積極的に環境改善の投資を行い、
作業者の負担を一気に減らしてあげた方が、
長い目で見るとよっぽどお得だと私は思います。

預金のおはなし

このようなお金のお話をすると、多くの方は1つ疑問を抱きます。

「でも会社の預金は減るから、
結局負担であることは変わらないんじゃないの?」

確かにその通りだと思います。
あくまで決算書上で工夫できるというだけなので、会社のお金が減ることは間違いありません。

会社の蓄えが少ないと何かあった時が怖いので、できるだけお金をたくさん持っておくに越したことはないですからね。

また、20~30年くらい前は、銀行の利息が10%ほど付いていたのをご存じですか?
もし1億円を銀行に入れておけば、何もしなくても毎年1000万円が利息で入ってくるような時代でしたので、

とりあえず一旦銀行に現金を預けて、
それで得た利息で投資を行う会社が多かったみたいです。

だから、その時代を経験している方は、
預金が減るという事を無意識に嫌がる傾向にあると、
私は個人的に考察しております。

しかし今の銀行の利息は0.002%などとかなり低いので、利息で恩恵を受けられることがなくなってしまいました。

また、2020年から始まったコロナ騒動を、自社の貯金だけで乗り切れている会社は、実はかなり少ないのです。
多くの会社は金融機関にお金を借りたり、補助金をもらったりして大不況を何とか凌いでいます。

今回のような有事を乗り切るには、3~5年くらい売上がゼロでも問題なく経営できるくらいの貯金が必要なので、
それくらいお金を貯めるんだ!という経営方針であれば、それはそれで素晴らしいと思います。

ただ、減価償却費を上手に使った設備投資は、利益が減っているという印象ではなく、
「色々と投資をしている会社だな」と認識して頂けることが近年は多いので、
周囲にそこまで悪い印象を与えることは無くなりつつあります。

集塵機は減価償却できるのか?まとめ

以上が、「集塵機は減価償却できるのか。」についてでした。
いかがでしょうか。

今回は、珍しく経営目線でお金の話と集塵機を絡めてみました。

大きな買い物をする時は非常に勇気がいりますし、集塵機は直接的な利益を生み出してくれる機械ではないため、
皆を説得するにはそれなりの理由が必要です。

だからこそ、
ある程度お金に関する知識を持って稟議にかけることで、
承認して頂ける可能性がぐんと上がります。

言葉を選ばずに言うと、
使わずに置いておくお金であれば、
設備投資などで生産性を向上させた方が、
将来生み出す利益は大きいという事を訴えかけていくことが重要なのではと思います。

私達は、設備環境を改善したいユーザー様のために、集塵機や集塵装置を製造販売しており、
弊社の集塵システムであれば、効率よく環境改善が可能で費用対効果で大きく貢献できると信じています。

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