集塵機を買ったのに粉塵が取れない原因について
こんにちは!ホコリ対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。生産工場の中で機械が稼働し、そこに人がいる以上必ず発生してしまう、‘’ホコリや粉塵‘’ 。私たちは、製品に付着した異物を吸引&除去する「除塵ノズル」という装置を、オーダーメイドでご提供させて頂いております。
突然ですが、粉塵対策と聞くと何を思い浮かべますか?
多くの方が「集塵機」をイメージされたのではないでしょうか。もちろん、皆様のご想像通りで正解だと思いますが、実際に粉塵を完璧に除去出来ているという企業様は、あまり多くないかと思います。
そのような方々にもう一つご質問ですが、
集塵機の先端に取り付けるノズル、フードを専門業者にオーダーした事はありますか?
おそらく、NOとお答えになる方が多いかと思います。なぜなら、お客様に合った集塵装置をオーダーメイドで作る業者はほとんど存在しないからです。理由をハッキリ言ってしまうと、オーダーメイドでノズルを作るよりも、量産品の集塵機を販売する方が圧倒的に儲かりますからね (笑)
除塵に関する専門業者が少ないと参考文献が増えず、企業様はますます困ってしまいます。そこで私達は、異物・ホコリ対策に悩んでおられる製造業者様の力になりたいと思い、このブログを参考文献として配信しております。
- 生産のお仕事に就いて間もない
- これからホコリ対策をしていこう
- 既にホコリ対策をしているが、それでも困っている
上記に該当する方にとってはご満足頂ける内容間違いナシですので、是非ご愛読ください。
今回のテーマは、前回の続きの「集塵機を買ったのに粉塵が取れない~後編~」になります。前編をまだご覧になっていない方は、そちらを先に読んで頂くと、より深くご理解頂けると思います。
基礎から集塵シリーズ 第三弾 集塵機を買ったのに粉塵がとれない~前編~ | 株式会社ディーオ (dio-pulshot.com)
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集塵機を買ったのに粉塵が取れないと考えられる原因③フードと粉塵の距離が遠すぎる
参考文献を探すと、このような記事を見つけました。
吸込状態の標準空気は、温度20℃、絶対圧力101.3kPa、絶対湿度65%で単位体積重量は1.2kg/m3とする。
集塵に必要な風量は、
・吸込む粉塵の性質(重さや状態)
・必要なフード(ノズル)の大きさ
・距離(ゴミの発生源から吸込み口までの距離)から、計算する
風量Q=60×Vc×(10×X²+A)
Q:必要風量(m3/min)
Vc : 制御風速(m/sec)・・・下図参照
X : 距離(m)・・・・・・・・粉塵発生源から吸込口までの距離
A : 開口面の面積(m2)・・・L×W
お分かり頂けましたでしょうか?この内容を要約すると、「フードとワークの距離はあまり離したらアカンよ~♪」という一言になります (笑)
天文学的な除去率を可視化し、論文にまとめて発表する場合は、この数式に当てはめて実験を重ねる必要があります。しかし、皆様が求めているのはこのような文献でしょうか?
お客様が求めているのはこれではないと、私は思います。皆様の目的は、計算式を証明するのではなく、「異物・ホコリを除去して不良品を減らす」ことですよね?だからこそ、これだけ覚えて頂ければ大丈夫です。
「集塵フードとワークの距離は、可能な限り離さず近づけてください。」
もしどうしても距離が開いてしまう場合はノズルメーカーにご相談下さい。
加えて「フードとワークの距離に対し、風量、静圧は二乗に比例して落ちてしまう。」という事を予備知識として把握して頂ければ、ほぼOKです。
そうなると、2つの大きな問題が出てくるかもしれません。一緒に見ていきましょう。
ワークの重量が軽いと、ワークごと吸い上げてしまう
- ワークを固定して集塵する
- ワークを逆さにして、上から下に集塵する
- 底面に吸引機構を用意し、上下両方吸引する
などの対策があります。
ワークの表面に凹凸があると、凹部分の粉塵を吸引出来ない
色々な解決策がある事は事実ですが、これはかなり難しく、一般的な集塵知識だけでは解決できません。
もしこのような課題に直面したら、ノズルメーカーに問い合わせてみてください。
- ノズルメーカーでも解決が難しい。
- 解決方法を提示してもらえたが、値段が高すぎる。
などの問題があれば、是非弊社にご相談下さい。このような課題は、まさに弊社の腕の見せ所だと考えております。
集塵機を買ったのに粉塵が取れないと考えられる原因④過度の圧力損失が発生している
圧力損失とは一言で言うと、「異物を吸い上げる力が、本来の力より低くなってしまっている」という状況の事です。
- ダクトホースを曲げすぎた状態で使用している。
- 集塵機とノズルの距離が遠すぎる。
- フィルターが詰まっている
このような時に主に発生します。掃除機で例えるとイメージしやすいと思います。
少し前の掃除機はこんな感じです。
一方、最近の掃除機は充電式になり、どんどんコンパクトになっていますよね?
それなのに、なぜ綺麗に清掃できるのかというと、「圧力損失が発生していない」からです。モーターとノズルの位置を見てください。コードレスのハンディ掃除機の方が近いですよね?なおかつ、完全に直線になっています。
車はまっすぐで平坦な道のほうがスピードを出しやすいのと同じで、風も一緒なんです。
ホースがくねくね曲がっていたり、フードと集塵機の距離が遠すぎたりすると、更に強い吸引力が求められてしまいます。
だからこそ、皆様が集塵機を設置する際は、可能な限りフードの近くに置くようにしてください。しかし、設備の都合上や騒音の兼ね合いなどで、どうしても近くに置けない場合は、本来必要な風量よりも少し大きめの集塵機を選択すると間違いないでしょう。ご不安な場合は、ノズルメーカーに一度ご相談されることが最も確実だと思います。
集塵機を買ったのに粉塵が取れない原因まとめ
以上が「集塵機を買ったのに粉塵を除去できない」ときの主な原因4つになります。皆様の生産工場に当てはまる事はありましたか?異物・ホコリ対策は、少しの工夫で劇的に改善する事がよくあります。このブログの「基礎から集塵シリーズ」では、たった2割程度の基礎知識だけで、全体の8割を理解する事が出来るよう構成した記事を配信しております。
しかし、どうしても解決できない異物問題が沢山あるのも事実です。そのような製造業者様のお役に立つために、株式会社ディーオはオーダーメイドの集塵装置をご提供させて頂いております。
粉塵でお困りの方は、集塵機メーカーではなく、まずは弊社のようなノズルメーカーにお問合せ頂く事を強く推奨致します。
株式会社ディーオは、お客様のワークの除塵テストを無料で行っております。
ご興味のある方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。
次回は、ベストな集塵機を安く買う方法~性能曲線表の理解~というテーマで配信したいと思います。
ありがとうございました~。
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