基礎から集塵シリーズ 第二弾 ~集塵フードの設計方法~

基礎から集塵シリーズ 第二弾 ~集塵フードの設計方法~

集塵フードの設計方法を解説する前に

こんにちは!ホコリ、粉塵対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私達は、工場で発生した粉塵を除去する除塵ノズルをオーダーメイドで製造しております。

突然ですが、日々の活動で、お客様とこんなやり取りがよくあります。

お客様「〇〇会社の集塵機を使用しているのですが、製品に付着した粉塵が取れないんです。どうにかなりませんか?」

ディーオ「ホコリ除去自体は全然できますが、お使いの集塵機が合わないので買い直しが必要になると思います。」

お客様「えええ!この集塵機は最近買ったばっかりなんですよー…(泣)」

読者の皆様は、このような「集塵機は持っているのに、ホコリ対策が不十分のままだ!!」という経験をされた事はありますか?

これって実は、よくあるトラブルなんです。
集塵機メーカーに勧められた通りに購入したのに、なぜこんな事になってしまうのか。
自分達で解決しようと参考文献を探したがなかなか見つからない。それっぽいページを見つけたけれど、
暗号のような計算式でサッパリという声もかなりお聞きします。

なぜなら、、、そもそも、集塵機は製品に付着した異物を除去する機械ではない!からです。

この詳細につきましては、こちらの記事に詳しく記載しているので、是非ご覧頂けますと幸いです。

https://dio-pulshot.com/basicbuyprocess01/

そもそもの用途が違うから、ホコリ対策の課題は、集塵機メーカーでは解決出来ないのです。

しかし、多くの企業様がホコリ対策に頭を抱えており、潜在的な需要が大きいので「私たちはあくまで集塵機なので、ホコリ対策の相談は乗れません!!」とは声を大にして言えないのです。
(自社の売上が下がってしまうから)

提案されるがまま集塵機を購入したが、解決には至らない。

ネットサーフィンで探したノズルメーカーに問い合わせて先端ノズルも購入したが、あまり効果がない。

という最悪の負のスパイラルが待っています。

 

ノズルの値段はピンキリで、高いモノを購入してしまった場合、この時点で数百万の損失になります。

こうならないためにやるべきことは一つ!!

フードの外形図を決めてから集塵機を選定しましょう。集塵機メーカーへの問い合わせは最後に行うのが正しい手順なのです。

このブログの「基礎から集塵シリーズ」では、企業様の異物混入対策において、
今更聞きづらいような基礎的な事から、「なるほど!これで解決出来そうだ!」という実践的な内容まで、幅広く内容を発信します。

  • 機械関係のお仕事に就いて間もない
  • これからホコリ対策をしていこう
  • 既にホコリ対策をしているが、それでも困っている

上記に該当する方にとってはご満足頂ける内容間違いナシですので、是非ご愛読ください。

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フードの外形図を決めるためには

ステップ① 面積を計算する

まず、どれくらいの面積の清掃するのかを決定する必要があります。単純に面積を計算して、60を掛ければオッケーです。例えば、50mm×60mmのフードを作りたいなら、

フードの外形図を決めるためには①面積を計算する

こんなイメージですね!0.05m×0.06m×60=0.18㎡(最初の時点でメートルに換算しておくと楽ですよ!)

ステップ② ダクト管内速度を推測する

聞きなれない単語ですよね。簡単にご説明すると、ホコリなどの粉塵がホースの中を通過するスピードの事です。

例えば、原付と大型二輪が信号待ちをしていて、青信号に変わった瞬間、一瞬の加速だと原付の方が早いですが、
100メートルも走れば大型二輪に追い抜かれてしまいますよね?

これと似たような現象で、粉塵の材質や大きさなどによって、ホースの中を通過する粉塵のスピードが変わります。

ざっくりですが、こんな感じになります。

【ダクト管内速度 目安】

  • ヒューム、ミスト、紙粉、綿、木粉等 ⇒ 10m/s前後
  • 軽い乾燥粉塵で原綿、研磨粉、おがくず等 ⇒ 15m/s前後
  • 木工粉、鉄粉などの一般粉塵 ⇒ 20m/s前後
  • 鉛など重い粉塵 ⇒ 25m/s前後
  • さらに重くて濡れた粉塵 ⇒ 25m/s以上

ヒューム、紙紛などの軽いものはゆっくり進み、鉛などの重い粉塵は早く進むという特長があります。

なぜ、この選定が必要なのかは、次のステップでお分かり頂けます。そして、集塵機業界のからくりも見えてしまいます(笑)

ステップ③ 風量を計算する

ステップ①で出た面積に、ダクト管内速度を掛ければ完了。
ここで出てきた数字が、「必要な集塵機の風量」になります。
あくまで例なので、今回は鉄紛(20m/s)と仮定しましょう。

0.18㎡×20(m/s)=3.6㎥の風量の集塵機が必要になります。
ポイントは、最大ではなく、使用点という事です。この数字を集塵機メーカーに伝えると、ミスなく選定できます。

では、仮に鉄粉(20m/s)ではなく木紛(10m/s)で計算したとしましょう。先程の計算方法を参考にすると、

0.05m×0.06m×60=0.18㎡

0.18m×10(m/s)=1.8㎥

なんと!!! 半分になっちゃいましたね!計算方法を少し間違えると、まったく参考にならない数字が出てきてしまいます。

もし、あらかじめダクト管内速度を下げて計算しておくと「弊社の集塵機は小型でパワフルですよ!!」とアピールできちゃいますよね。

 

ご質問です。

  • 皆様が集塵機を購入した時は、どのように選定しましたか?
  • その時の集塵機メーカーの方は、詳しくヒアリングをしてくれましたか?
  • 具体的に何の用途で使用したいのかについて、その方は相談に乗ってくれましたか?

ノズルについて正しく計算しなければ風量計算を間違えてしまうため、塵機は集塵機メーカーが選定するのは、実は非常に危険な事なのです。

解決策

集塵機メーカーではなく、ノズルメーカーに問い合わせてください。先程の計算を丁寧に行い、よりホコリ対策に特化した集塵機の選定が可能になります。

ノズルメーカーとは?

「除塵ノズル」、「集塵ノズル」などで検索すると、いくつかのメーカーがヒットします。ほとんどの会社は、既製品を主に販売しております。しかし、お客様の状況によって、使用できない商品が沢山あり、選定に悩む事も珍しくありません。株式会社ディーオは、生産工場の現状に合わせてオーダーメイドで製作しているため、顧客満足度が非常に高いという強みがございます。

粉塵、ホコリ対策でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。次回は、正しくフードを選んだのに解決しない!というテーマで配信します。

ありがとうございました~。

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