大型集塵機と小型集塵機の違いと使用方法について

大型集塵機と小型集塵機の違い (1)

はじめに~大型集塵機と小型集塵機の違いを解説する前に~

こんにちは!
ホコリ対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私達は、工場で発生するホコリや粉塵を除去する集塵システムをオーダーメイドでご提供しております。

集塵というワードを日常生活で聞く事はあまりないかもしれませんが、
生産工場にお勤めの方からすると頻繁に聞く言葉だと思います。

工場内で発生するのホコリや粉塵などは生産工場にとって天敵で、
何かしらの対策を講じなければ、人体の危険や製品の不具合などに直結してしまいます。

対策方法としては、掃除機やエアシャワー、コロコロテープなど様々な手法がありますが、
なかでも集塵機という機械は、かなり重要性が高い必須アイテムです。

そのため、集塵機の選定に関するご質問を頻繁に頂戴するのですが、
ホコリ対策での悩みはパターンがある程度決まっているのかと思い始めました。

本記事では、よくある質問のうちの一つである、
「大型集塵機と小型集塵機の違い」について解説していきたいと思います。

複数台の生産ラインでホコリ集塵を行いたい時に

  • 容量の非常に大きい集塵機を1台購入し、それを分岐させて使用するのか
  • 小型の集塵機を生産ラインごとに購入して使用するのか

で迷った時によく頂戴する質問です。

それぞれの違いについてお話しさせて頂きます。
是非最後まで読んでください!

大型集塵機と小型集塵機の違い①:ダクト配管工事

まず、1台から複数に分岐させる時点で、ダクトの配管工事を行う必要があります。
例えば、3つの生産ラインにダクトを分岐させる場合、このように枝分かれさせます。

工場の外に置いたりできるので、騒音問題や作業スペースの圧迫防止などの観点から見ると非常に便利ですが、
工事費用が非常に高いというデメリットもあります。

一方、小型集塵機をそれぞれのラインに設置するのであれば、配管工事が不要で、
集塵機が届き次第ですぐに使えます。

工場の外に置いたりできるので、騒音問題や作業スペースの圧迫防止などの観点から見ると非常に便利ですが、
工事費用が非常に高いというデメリットもあります。

一方、小型集塵機をそれぞれのラインに設置するのであれば、配管工事が不要で、集塵機が届き次第、すぐに使えます。

大型集塵機と小型集塵機の違い①:ダクト配管工事2

 

大型集塵機と小型集塵機の違い②:ダクト配管工事

言い換えると、吸引圧力の事です。
集塵機は、「静圧が強くなると風量は下がり、逆に風量を上げると静圧は弱まる」
という法則があるので、どちらに重きを置くのかを決めてから集塵機を選定する必要があります。

もし吸引圧力を重視したいのであれば、大型集塵機はあまりオススメできません
なぜなら、小型集塵機は、風量型、高圧型、中圧型など色々な種類が存在しますが、
世に出回っている大型集塵機のほとんどが風量型です。

小型集塵機の静圧は、機種によっては8㎪以上もあるため異物集塵には適していますが、
大型集塵機は2㎪程度しかないため、異物を吸い上げる力が圧倒的に弱いです。

加えて数本のダクトに分岐させるのであれば、その分圧力が半減してしまいます。

なので、吸引圧力を必要としないシチュエーションで使用したいのであれば、大型集塵機を導入した方が良いと思います。
具体的に、換気や切削、溶接作業などです。

一方で、生産ライン内で発生した異物を取り除きたい場合などは、粉塵を下から上に吸い上げる力、
つまり吸引圧力が必要になりますので、小型の高圧型集塵機を作業場ごとに集塵機を取り付けた方が良いです。

大型集塵機と小型集塵機の違い③:微調整

工場の外に超大型の集塵機を置いて、そこからダクト配管で作業場まで持ってくるという方式を採用している工場は
非常にたくさんあります。

設置スペースに無駄がなく、作業者様にとっては非常に使い勝手が良い事はもちろん、
集塵機から発生する騒音を減らす事が出来るのですが、細かい微調整が難しいというデメリットがあります。

主に2つの難点があります。まず、配置の調整です。

ダクト工事を行う際に、どこに配管の先端を持ってきて、
どのようなルートで集塵機まで繋ぐのかを予め決めておく必要があります。

もし数年後に工場内の配置を変更したくなって時、
ダクトを延長するなどの面倒な工事をしなければ位置を変更する事が出来ません

大型集塵機と小型集塵機の違い③:微調整

次に、集塵能力の微調整です。
製造ラインごとに風量を微調整したい場合は、
集塵機の操作によって調整する事が出来ないので工夫が必要になります。

大型集塵機と小型集塵機の違い③:微調整2

このように、元の集塵機は1つなので、色々な方向に繋がっているダクトのうち1本だけ調整するのが難しいです。
全く調整出来ない訳ではありませんが、こまめに調節するのは面倒です。

一方、小型集塵機の場合はキャスターによって簡単に移動できますし、ラインごと風潮調整を行いたい場合は、
集塵機本体から設定が出来るので、色々と楽に感じると思います。

その他の細かい違い

大型集塵機と小型集塵機には、その他にも細かい違いがあります。

その他の細かい違い①:電源電圧

小型の集塵機は100V単相と200V三相の両方の種類がありますが、大型の集塵機は200V三相のみの場合が多いです。

その他の細かい違い②:故障した時

本来あってはならないのですが、万が一集塵機が故障した場合、小型集塵機であればそのラインのみに影響を及ぼしますが、

大型集塵機が故障してしまうと、そこからダクトで繋がっている全てのラインに影響を及ぼします。

また、大型集塵機は、予備としてもう1台備蓄するなどもしづらいので、故障してしまった時は早くても数日間、
複数の生産ラインが止まってしまうリスクもあります。

その他の細かい違い③:圧力損失

基本的に集塵配管は、L字に曲げたり、極端に集塵機から離れた場所に設置すると、圧力損失が生じます
そのため、圧損計算を間違えて配管をレイアウトしてしまったり、強引に配管を後付けしてしまうと、
思うような能力を出せなくなってしまいます。

その点、製造ラインの横にベタ付けできる小型集塵機であれば、圧力損失などをそこまで気にしなくても良いです。

大型集塵機と小型集塵機の違いまとめ

以上が「大型集塵機と小型集塵機の違い」でした。
一般的に集塵機メーカーは、「高圧型と風量型の違いについて」など、
ある程度集塵機について理解している方に向けた記事を投稿しておりますが、

実際のユーザー様からすると、そもそも何で集塵機の大きさは様々で、
どんな違いがあるのか等の方が疑問に思うのではないかと感じたため、このような形で記事にしてみました

私の個人的な意見として、賛否両論はありますが、
小型もしくは中型くらいの集塵機を複数台置く方を推奨したいのが本音です。

なぜなら、ホコリ集塵に関しては、吸引圧力、つまり静圧が重要だと考えているからです。
申し上げたように、大型集塵機になればなるほど風量は大きくなるのですが、
静圧は反比例してしまうので、空気よりも軽いものを吸引する用途に限定されてしまいます。

このように、集塵に特化している業者ですら意見が分かれるほど、集塵機の選定は難しいのです。
おまけに集塵機業界は参考文献が以上に少ないので、馴染みのない方が選定するのは更に難しいと思います。

実際に、粉塵対策で弊社にお問い合わせ頂いたお客様の工場を訪問すると、
全く適していない集塵機を使っている事がしばしばあります。

そのような事態を避けるために、集塵機の選定をする際は遠慮なく専門メーカーに問い合わせる事を推奨します。

剥離と吸引が同時に出来るディーオの集塵機

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