集塵フードを作ったのにホコリが集塵出来ない~後編~

集塵フードを作ったのにホコリが集塵出来ない~後編~

ホコリが集塵出来ない原因、解決策を解説する前に

こんにちは!
ホコリ対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私たちは、集塵機の先端に取り付ける集塵フードなどをオーダーメイドで製造しています。

皆様の会社でホコリ・粉塵対策をする際、どのようにして集塵フードを製作しましたか?
ふと気になって、弊社のお客様に聞いてみたところ、集塵機メーカーに相談したら高額な見積書を提示されたので、
古くからお付き合いのある鉄工所様に作ってもらったという会社様が多かったです。

確かにその場合は、安価で製作できるので非常にお得だと思います。

しかし、正しい集塵理論のもと設計しましたか?

集塵フードを作る時は、

  • 粉塵の種類、量、大きさ
  • 集塵機の静圧、風量
  • ワークとの距離設定
  • 静電気

これらの事を正確に知り、計算をしながら設計を進める必要があります。
思うような効果が得られない場合は、そもそもの設計方法が間違っている可能性が高いです。
改善するためには、また一から作り直す必要があり、結果的に余計高額な投資になってしまいます。

そのような、もったいない投資を減らすお手伝いをすべく、私たちは、集塵理論を分かりやすく、
ある程度伝えるためにこのブログを配信しております。

  • 生産のお仕事に就いて間もない
  • これからホコリ対策をしていこう
  • 既にホコリ対策をしているが、それでも困っている

上記に該当する方にとってはご満足頂ける内容間違いナシですので、是非ご愛読ください。

今回のテーマは、「集塵フードを作ったのにホコリが集塵出来ない~後編~」になります。

基本的な集塵フードの設計方法については過去に配信しておりますので、
ご興味のある方はそちらも合わせて一読頂けますと幸いです。

過去記事;集塵方法の設計方法について
過去記事;集塵方法の設計方法について (1)

集塵フードを作ったのにホコリが集塵出来ない原因とは?

先日配信した前編の内容を軽くまとめますと、
集塵フードを作ったのに上手に集塵されない場合、

  • ワークに凹凸がある。
  • ワークの表面に静電気が帯電している。

この2点のどちらかに該当している可能性が高いです。

ワークに凹凸がある

集塵は、フードとワークの距離設定が肝になります。
限りなく近づけると吸引力は強くなり、逆に隙間が開くと二乗に比例して
吸引力が落ちるという性質があります。

ワークに凹凸がある場合は、凹部分の距離と凸部分の距離が違うため、
凹部分に溜まった粉塵が吸引できていないと思われます。

ワークの表面に静電気が帯電している

静電気とは、ワークと粉塵を引っ付ける特徴があります。
そうなると、どれだけ吸引力を強くしても、吸引どころか、
そもそも粉塵がワークから剥離すらされません。

この2点に関する詳しい解説は、先日既に配信しておりますので、
ご興味のある方は合わせてお読み頂けますと幸いです。

過去記事;集塵方法の設計方法について
過去記事;集塵方法の設計方法について (1)

どのように対策すればよいのか

このような場合、ただ単純にフードを設計するだけでは解決しないので、少し手を加える必要がございます。
様々な方法がありますが、今回は代表的な手法をいくつかご紹介します。

対策方法①:ブラシで掻き上げる

一言で言うと、ブラシを接触させて剥がすイメージです。
粉塵がなかなか製品から剥離されない場合は、ブラシなどで接触させて、
強引に剥がす事が一番手っ取り早い方法になります。

主にリースキン関係、外壁、パネルなどを除塵する際に使われます。

頑固に付着した粉塵を剥離させるには非常に有効な対策ですが、
精密機器などの基盤でロールブラシをしようしてしまうと、
製品に傷が付いてしまう可能性があり、限られた条件の下で出来る手法だと思います。

吸引口の周りにブラシを柔らかい設置して、ワークが流れるとともに自動で接触されるようにする事が、すぐに試せる方法です。
簡単に出来る方法ですので、ご興味のある方はぜひ試してみてください。

対策方法②除電器を設置する

静電気が原因で集塵できていないのなら、
その静電気を除去してあげれば良いと思います。

しかし、除電という分野はかなり奥が深く、これも曖昧な理解のまま導入してしまうと、
十分な効果が得られない事もあります。

静電気は、「再び帯電する」という厄介な特徴があり、製造工程の中で、どこに配置するかが重要になります。

例えば、

  • 製品を切断した直後に除電器を使用する
  • その後に集塵フードが設置されたベルトコンベアに乗せて1つずつ梱包する

というような工程があったとします。

一見何の問題も内容に見えますが、意外な落とし穴があります。
除電してから集塵フードに辿り着くまでに時間がかかりすぎています。

色々な所に電子が存在する為、何かの拍子で再び静電気が帯電してしまう事がよくあります。

ベルトコンベアのベルト部分に存在していた電子が、製品に移動してしまった。などが、再帯電のよくある原因です。

除電と集塵は、可能な限り同時に行うのがベストですので、この辺りも一度見直してみてください。

対策方法③エアブローで剥離させる

エアブローで粉塵を吹き飛ばしてから、その吹き飛んだ粉塵を吸引する方法です。

これは、静電気の帯電量がそこまで多くない時に使用できる、最も効果的な方法です。
しかし、この方法は大きな課題があります。
それは、「粉塵の吹き漏れ」です。

単純なお話ですが、エアー供給の値はメガパスカル、吸引の圧力はキロパスカルです。
1メガパスカル=1000キロパスカル

つまり、もしエアブローと吸引を同時に行おうとした場合、
どうやっても吹き出すエアーの方が強くなってしまいます。

この粉塵の吹き漏れが許容できる環境であれば、最も効果が高いと思いますので、試してみてください。

ただし、かなりの高確率で粉塵の吹き漏れが発生しますので、ご注意下さい。

もし、吹き漏れを最小限に抑えたいなどの条件がございましたら、
弊社のような専門メーカーにお問い合わせをされることをお勧めします。

さいごに

以上が「集塵フードを作ったのにホコリが集塵できない~後編~」でした。

異物・ホコリ対策は、自分達で何とかするのが当たり前という暗黙のルールがありました。
そのため、どうにか不良品を出さない為に、作業者の方が時間をかけて一つ一つ除塵していました。

昔はそれで良かったのかもしれませんが、労働人口の減少に伴い、除塵に時間を費やせる労働者が減ってしまっている現代では、
人に頼らずに粉塵対策をしていく必要があります。

しかし、集塵機を売っているメーカーは沢山あるのに、その肝心な先端ノズルを製造するメーカーが国内にほとんど存在しないため、
企業様にとって十分な参考文献をお届けできていないのが現状です。

私たち、株式会社ディーオは集塵機の先端に取り付ける「除塵ノズル」を、
お客様に合わせてオーダーメイドで製作している数少ないノズルメーカーです。

粉塵対策で集塵機の購入をお考えの方は、集塵機メーカーではなく、
まずは弊社のようなノズルメーカーにお問合せ頂く事を強く推奨致します。

株式会社ディーオは、お客様のワークの除塵テストを無料で行っております。

ノズルと集塵機集塵システムの専門企業ディーオお問い合わせはこちら

付着異物、ホコリ対策でお悩みの方は、私たちまでお気軽にお問い合わせください。

ありがとうございました~。

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