安い集塵機って実際にどうなの?

安い集塵機って実際にどうなの?

はじめに ~安い集塵機って実際どうなの?を解説する前に~

こんにちは!

ホコリ・異物混入対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。

私たちは、集塵機と集塵機の先端に取り付ける集塵フードなどをオーダーメイドで製造しています。

突然ですが、皆様の工場では、どのような集塵機を使っていますか?

高圧型、中圧型、風量型、防爆仕様など、集塵機には様々な種類が存在します。

メーカーがたくさんあり、種類も豊富なことは非常に良いのですが、

ユーザー様はある疑問を抱くようになりました。

 

「色々な種類があるけれど、何が違うの??」

 

違いがよくわからないのであれば、安い方の集塵機を買おう!となるのは当然の話です。

種類がありすぎて選べないので、価格で比べるしかなくなってしまうのです。

価格が下がるのはとても良いことですが、このように、それぞれの違いを理解せずに価格を参考に集塵機を選ばざるを得なくなったユーザー様が激増したのも事実です。

実際に使用してみると、思うような能力が出ず、様々な苦労を強いられている作業者様も多いと思います。

これは、完全に私たち集塵機メーカーの責任だと私は思います。

そこで、本記事では、集塵機は果たして本当に「安いもので十分」なのかについて、具体的なお話をしていきたいと思います。

  • これから集塵機の導入をご検討されている方
  • すでに集塵機を使用しているが、本当に正しい機種を選定しているのかが怪しい方
  • 集塵機に関する知識はそこまでないが、生産工場の責任を担っている方

などの方のお役に立てる内容間違いなしですので、ぜひ最後まで読んでください。

集塵機の低コスト化が実現した理由

もちろん、大した特徴がないのに値段だけ高いような集塵機は売れませんので、

良い性能を出して、価格も下げられるように、集塵機メーカーは日々研鑽を重ねています。

 

では、どのようにして集塵機メーカーは価格を下げることに成功したのでしょうか。

 

主な理由は3つあります。

 

集塵機の低コスト化が実現した理由①大量生産

これは当たり前の話ですが、スーツ2着目以降半額!などと同じように、たくさん買ってくれる人には割引をするのが一般的なので、
集塵機メーカーは、できるだけ一度にたくさんの部品を買うようにしています。

加えて、使用する部品をできる限り共通にして在庫過多のリスクを低減させています。
これによって、安く安全に仕入れて、安く販売することに成功しました。

 

集塵機の低コスト化が実現した理由②自社の部品開発

集塵機の部品の中で最も原価コストが高く肝となるのが「送風機メーカーから仕入れるブロア」です。

ここに各社の違いがあり、使うブロアによって性能が大きく変わります。
だから、正直なお話、ここだけはケチをする訳にはいきません。

しかし、自分達が納得できるクオリティのブロアを自社で研究・開発してしまうことによって、
高い外注費用を抑えることができました。

 

集塵機の低コスト化が実現した理由③仕様の限定

先ほどのブロアのお話の続きになりますが、ブロアには、

物を吸い上げる圧力の強さに自信があるタイプと、
たくさんの風を一度に吸い込む量に自信を持っているタイプの2種類あります。

吸引圧力に自信があるタイプのブロアは非常に高価ですが、
大量の風を吸い込むタイプであれば、意外と安く作れてしまうという裏話があります。

つまり言い換えると、風量型集塵機なら、お安く作れちゃいますよ。という事になります。

だから、同じ大きさの場合、風量型集塵機の方が断然安くなります。

安価な集塵機を使用してはいけないケース

先程からの私の伝え方は、少し語弊があるかもしれません。
安い集塵機=ダメという事では全くありません。

弊社のお客様でも、この状況であれば、無理して弊社から買って頂くのではなくて、
そこら辺の安い集塵機を使っちゃってください!と、こちらからご提案するようなケースも多々あります。

集塵機という機械は、基本的には粉塵や煙を吸ったりするだけなので、安価なもの、
つまり、小型の風量型集塵機を選んで頂いても全然大丈夫だと思います。

しかし、使用用途によっては、それなりに高価な集塵機を購入して頂かなければならないことがあります。

安価な集塵機を使用してはいけないケース①付着異物の除去

物を作る時、そこに機械があり人が作業しているため、必ず異物・粉塵・ホコリは発生してしまいます。

木を切ったら出る木くず、鉄を削ったら発生する鉄粉、作業着に付着した衣類の繊維など、
発生して当然な異物が生産工場にはたくさんあります。

 

ここで一番肝心なのは、何をどのように集塵したいのかになります。

 

それらが空中に散乱した時、作業者が吸い込まないようにしたいのであれば、風量型集塵機で十分ですが、
製品に付着した粉塵を吸引したいのであれば話は全く変わります。

 

つまり、風量型集塵機を使用しても十分な効果は得られないという事になります。

一般的に、小型の高圧型集塵機は40万円以上しますが、風量型集塵機であれば10万円以下のものもあります。

 

この2つを天秤にかけた時、どうしても価格差が気になってしまいますよね?

ただ、浮遊した粉塵を吸引する時は風量が重要で、付着した粉塵を吸い上げる時は圧力が重要ですので、そもそも求められる性能が全く違ってきます。

 

だからこそ、製品に付着した粉塵を吸引するのであれば、高くても高圧型集塵機を選ぶ必要があります。

安価な集塵機を使用してはいけないケース②連続稼働

では、高圧型集塵機は全て高いのでしょうか。

そんなことはありません。実は、安価な高圧型集塵機も存在します。

見た目は、皆様が家庭で使用されている掃除機に近いのですが、吸引圧力が更に強く、
高圧型集塵機に似た性能を持っているのに、10万円程度で購入できる。

言われてみれば、ホコリなどであれば、そもそも掃除機で十分な気もしますよね。

掃除機であれば数万円、安価な高圧型集塵機であれば10万円程度で抑えられるのに、
なぜ数十万円もする高圧型集塵機を使用すべきなのでしょうか。

連続運転するとすぐに壊れてしまい、最悪の場合、火災の原因となるからです。

火災?また大げさなと思われがちですが、実際に工場が燃えてしまった事例は頻繁に報告されております。

理由は、モーターが焼けてしまうからです。

掃除機は、「我が社の掃除機は500円玉もラクラク吸い上げますよ」というような宣伝をよく見かけますし、
高圧型集塵機は、「10㎏のボーリング玉を持ち上げる事ができます」というような謳い文句を見かけます。

両方共通して、吸引圧力に特化しているため、基本的には圧力がアピールポイントになります。
しかし、掃除機はご家庭で使う前提のため、何時間も連続で使用することを想定していません。

逆に、工場などで長時間使用する前提で考えているのが集塵機です。

誤った場所で掃除機を長時間使用すると、すぐにモーターが焼けてしまい、火災の原因となります。
買い替える必要があることはもちろん、もし工場が全焼してしまうと何億円もの損害になってしまいます。

このモーターのコストに大きな差があるため、安価な集塵機を作るには、このような違いが出てしまいます。
だからこそ、連続運転で使用したい場合は、絶対に安価な集塵機を選んではいけません。

安価な集塵機を使用してはいけないケース③防爆仕様

近年、粉塵爆発という言葉をたまに聞くことがあります。

ちょうど1か月前にテレビを見ていたら、外国の子供がお母さんへのイタズラで、
ドライヤーのファンの中に小麦粉を入れておいたら、お母さんが電源を入れた瞬間にドライヤーが爆発した映像を見ました。

これは紛れもない粉塵爆発で、粉塵の種類によっては火災の対策を講じなければならない場合がございます。
(この粉塵爆発というテーマは非常に奥が深く難しいので、こちらについては後日詳しく解説していきたいと思います。)

小麦粉・砂糖・コンスターチ・石炭粉末・アルミニウム粉末が粉塵の場合は、かなり警戒する必要があり、
通常の集塵機よりも数倍も高い「防爆仕様」の集塵機を選定しなければいけません。

防爆集塵機には、通常の防爆仕様と、簡易防爆仕様の2種類あります。
値段はもちろん簡易防爆の方が安いのですが、

簡易防爆仕様は、粉塵爆発が起こり辛いように、電気配線などに細工を施していますが、
それでも爆発が起こった場合は、周囲に燃え移ってしまうリスクがあります。

通常の防爆仕様は、簡易型と同様に電気配線の細工に加えて、万が一爆発が起きた際に、
火を集塵機内に閉じ込めて消火まで自動でしてくれる仕様になっております。

安い集塵機って実際にどうなの?まとめ

以上が、安い集塵機って実際どうなの?でした。

いかがでしょうか。

 

まとめますと、

 

集塵機メーカーは、

  • 一度に大量生産
  • 高価な原材料は自社で開発
  • 風量型集塵機や、短時間用モーターなどに仕様を限定する

この3つを行うことで集塵機の低コスト化を実現しており、安価な集塵機がたくさん市場に出回るようになりました。

 

しかし、安いというのは、必ずしも得をする訳ではなく、

 

  • 付着異物の除去したい時
  • 高圧型集塵機を長時間稼働させたい時
  • 粉塵爆発のリスクがある材質を扱う時

 

などは、絶対に値段だけで決めてはいけない。

という内容になります。

 

言い換えれば、それ以外の使用目的であれば、特に気にせず値段で選んでしまっても問題ないと言えるでしょう。

とはいえ、上記のケースに当てはまるのかわからない方もたくさんいらっしゃると思います。
その場合は、私たち、株式会社ディーオまでお気軽にご相談ください。

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私たちは、集塵機の選定だけでなく、先端に取り付ける粉塵除去装置などもオーダーメイドで製作しておりますので、
粉塵対策に関することは何でもご相談頂けますと幸いです。

ここまで便利な情報社会にも関わらず、このような「よく分からない製品」として認識されてしまっているのは、
私たち集塵機メーカーの責任だと感じております。

そのため、私たちは、集塵機に関する基礎的な事から応用的な事まで、
たくさんの参考文献をご提供させて頂きたく、このブログを配信しております。

ありがとうございました。

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