集塵機選定の失敗事例

集塵機選定の失敗事例

集塵機選定の失敗事例を解説する前に

こんにちは!
ホコリ・異物混入対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私たちは、集塵機と、その先端に取り付ける集塵フードなどをオーダーメイドで製造しています。

突然ですが、「集塵機」を購入する時、どのような方法で適切な集塵機を選んでいますか?

・お近くの商社に問い合わせる。
・集塵機メーカーに直接相談する。
・ネットの口コミを信じて、自社の判断で買う。

など色々な手法がありますが、

絶対に適切な集塵機を購入したという自信はどれくらいありますか?

また、

現在の集塵設備の環境にどれくらい満足していますか?

集塵に関する知識、理論などは分からないが、とにかくお金をかけずに何とかしなさい!
と会社から指示を出されている方も多いと思います。

私たちは、そのような方々のお力になるために、日本で一番わかりやすい集塵情報を配信しております。

今回の記事では、適切な集塵機を選ぶことが出来なかった失敗事例についていくつかご紹介をさせて頂きます。

集塵機を選定するために知っておくべき用語

静圧

一言でいうと、物を吸い上げる力の事を静圧といい、キロパスカル(㎪)と表記します。

基本的には、キロパスカル=キログラムと考えて、表記されている数字㎏の物を吸い上げる事が出来ます。

もし、最大静圧10㎪と書かれていれば、その集塵機は、10㎏のダンベルを持ち上げる事が出来るくらいの吸引力があるという事です。

風量

一言でいうと、1分あたりに吸い込める風の量のことを風量と言い、りゅうべ(㎥)と表記します。
部屋の空気の換気で考えて頂くとわかりやすいと思います。

例えば、友人と14畳のワンルームの部屋で換気扇をつけっぱなしの状態で焼肉パーティーをしたとします。畳14畳を体積で換算すると、
だいたい5m(たて)×5m(よこ)×3m(高さ)=75㎥くらいの面積です。

集塵機 風量

その換気扇の風量が10㎥/minだった場合、それは、1分ごとに10㎥分の空気が入れ替わるという意味ですので、
75㎥÷10㎥=7.5
つまり、7分30秒で、部屋の空気が綺麗に入れ変わる事になります。

高圧型集塵機

近くにある物を吸い上げるのに特化した集塵機の事です。
先程の専門用語を使って言うと、風量は弱く、静圧が強いという特徴がございます。
吸引口を近づけた時に本領を発揮するので、基本的には、製品に付着した粉塵などを除去したい時に選ぶべき集塵機です。

風量型集塵機

部屋を換気する時など、風を吸い込むのに特化した集塵機です。

専門用語で言うと、静圧は弱いが、風量が大きいという特徴がございます。

部屋(空間)の空気を入れ替えるのが得意なので、基本的には、空気より軽い気体や、物を削ったりした時に舞い上がってしまう粉塵などを除去したい場合に選ぶべき集塵機です。

専門用語まとめ

・空気より明らかに重たく、製品に付着したものを吸引したいときは「高圧型集塵機」
(静圧が強いから)

・空気より軽い気体や、空気中に舞うようなものを吸引する時は「風量型集塵機」
(風量が大きいから)

という事になります。言い換えると、

・高圧型集塵機は、粉塵から製品を守る機械

・風量型集塵機は、粉塵から作業者を守る機械

このようなイメージで考えて頂ければと思います。
風量型集塵機を異物除去で使用する事はもちろん可能ですが、その場合は、一定の条件の下でないと十分な性能を発揮してくれません。
これらを踏まえて、ご質問です。

皆様は、何の目的で集塵機を使っていますか?

集塵機の選定ミスは、多くの企業様で起こっている事なのです。
なので、よくある事例を下記にご紹介させて頂きたいと思います。

集塵機でよくある選定ミス

Case.1 ~機種選定を自社判断のみで行った事例~

こちらのお客様は、原料を小分けに充填する機械の中で、充填後の原料が舞い、機械のあちこちに付着してしまい不衛生なので解決したい。という事例でした。
機械自体のサイズが大きく、その機械全体を集塵する場合、とてつもない風量の集塵機が必要であると判断し、「最大風量60㎥」と記載されている大きい集塵機をインターネットで購入されました。しかし、全く改善が見られませんでした。

皆様は、なぜこのようなことになったと思いますか?

実は、「最大風量」のカラクリに惑わされたことが原因だと考察しております。
風量の値だけを見て集塵機を購入される方も多いですが、その選び方、実は危険です!
なぜなら、何かに付着したものを吸引する時は、風量よりも静圧が大切だからです。

今回のケースでは、まず一番初めに、
「どれくらいの重さの粉塵が、どのように発生しているかを確認し、何を改善したいのか」を見定める必要があります。
激しく舞い上がるような粉塵であればベストチョイスだったのですが、
対象の異物は少し重たかった為、粉塵は下に溜まり、機械内の空間の空気だけが凄まじいスピードで入れ替わっている状態でした。

今回購されたのは風量型集塵機ですが、本来選ぶべきだったのは、重たい粉塵を沢山吸い上げることが出来る高圧型集塵機です。

この点を踏まえ、次に企業様は、
「ホースの径を短くして、ピンポイントに近づける作戦」を実施しましたが、
風量型集塵機は静圧が小さいため十分に粉塵を吸引できませんでした。

最大静圧が60㎥あったとしても、風量型集塵機の最大静圧は、せいぜい2~3㎪程度しかありません。
もし弊社の高圧型集塵機を使用して頂いていれば、最大静圧はなんと19㎪もあり、6倍くらいの改善が見込めました。

結果として、再度買い替える事となり、余計にコストがかかってしまいました。
もっと早くお知り合いになれていたらと私は強く思いました(泣)

Case.2 ~十分な説明をしてもらえなかった事例~

こちらのお客様は、木材を加工する業者様で、切った時に木くずが激しく舞ってしまうという事例でした。
商社様に勧められた高圧型集塵機のデモ機を借りたら吸引力に優れていたため、そのまま購入し、先端のフードは自作で作ったそうです。
しかし、フードを取り付けてみると、全く吸引出来ないという問題が発生しました。

皆様は、なぜこのようなことになったと思いますか?

私たちが考える原因は2つあります。

① フードの計算方法

実は、フード設計には方程式があり、適当に設計すると吸引力が落ちてしまいます。

詳しい設計方法については、別の記事で紹介していますので、こちらも合わせて読んで頂けると幸いです。

基礎から集塵シリーズ 第二弾 ~集塵フードの設計方法~

 

実際の集塵能力は、フードの大きさによって決まるため、

必要以上にフードを大きくし過ぎると、本来の能力が出せなくなってしまいます。

 

集塵機をベースに考えてフードを設計するのではなく、必要なフードの面積を先に決めてから集塵機を選定する必要があります。

② 集塵機の選定

Case.1と同様に、「どれくらいの重さの粉塵が、どのように発生しているかを確認し、何を改善したいのか」を一番初めに考える必要があります。

今回の場合は、木材を切った時にその削りカスが散乱するのを防ぎたいということでした。

木材に付着した異物の吸引であれば、高圧型集塵機でシュッと吸い上げれば良いのですが、
今回は、舞っているものを吸引するのが得意な「風量型集塵機」を選ぶべきでした。

結果的に、こちらの会社様も、集塵機を買い替える事になってしまいました。

集塵機選定の失敗事例のさいごに

今回ご紹介させて頂いた2つの事例について、いかがでしたか?

 

2社様とも集塵機を買い直しましたが、そもそも、集塵機の価格相場はご存じですか?

これについては、別の記事で詳しく解説しますが、

一般的には高圧型集塵機の方が高く、風量型集塵機は安い傾向があります。

大きさはほとんど同じなのに、高圧型は40万円、風量型は15万円などとかなり価格差があります。

 

・製品に異物を除去し、不良品を減らしたいという理由で集塵機を検索する。

・能力をなんとなく見てみる。

・風量型集塵機の方が、風量が大きくて安い。これにしよう!と選ぶ。

 

このような経緯で集塵機の選定ミスが起こってしまうのではと私は考えています。

 

でもこれ、ハッキリ言って、私達集塵機メーカーの責任だと思います。

 

お客様が自身で勉強しようとしても参考文献は少なく、集塵機メーカーに問い合わせても、違いがよくわからない機械を推奨されてしまう。

だからなんとなくの基準で選ぶしかなく、結果的に製造業者様に損失を与えている元凶は、私達だと責任を感じています。

 

そのため、私たちは、とにかく易しく分かりやすい参考文献をご提供する為にこのブログを配信しております。

一人でも多く、集塵設備の環境でお悩みの方の参考になれば誠に幸いです。

株式会社ディーオは、設備環境改善に関するカウンセリングを無料で行っております。

設備環境の改善や、集塵機の選定などでお悩みの方は、是非お気軽にお問い合わせください。

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ありがとうございました~。

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