こんにちは!
ホコリ・異物混入対策の専門メーカーの株式会社ディーオです。
私たちは、集塵機の先端に取り付ける集塵フードなどをオーダーメイドで製造しています。
別注品の集塵装置を製作する際、
「小さい集塵機を複数台買うべきか、それとも大きい集塵機を1台買うべきか」
という議論をすることがしばしばあります。
状況によって推奨する集塵機は変わりますので、どちらが正解というのはありませんが、
それぞれの特徴、メリット、デメリットを正しく理解しておくことで、購入後のミスマッチを減らすことが出来ます。
弊社が販売する集塵機は小型のものが多いので、本日は大型集塵機と比べた時のメリットについてお話していきたいと思います。
最後まで読んで頂けますと幸いです。
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小型集塵機のメリット
小型集塵機のメリット①設置場所の融通が利く
異物除去を行うために設置する集塵機であれば、運転開始後に
「思ったより除去率が悪い」というトラブルがよくあります。
例えば、次の画像のように、天井からダクトを繋いでワークの異物除去を行ったが、
集塵効率が悪いのでダクトの位置を変更するとします。
イメージ的にはわざわざ位置を変更しなくても問題なさそうですが、いざ稼働してみるとあまり効果が無く、
集塵ホースの設置位置を見直さなければいけない場合があります。
大型集塵機を導入していたら、ダクト配管工事を再度行うこととなりますが、
小型集塵機であればそれくらいの移動は簡単ですし、コンベアの下に設置する事もできますので、
設置融通はかなり利くと思います。
小型集塵機のメリット②吸引圧力が強い
異物除去のために集塵機を使う場合、風量だけでなく「静圧」もとても重要になります。
大型集塵機の場合、内蔵されるブロワがとても大きく、大風量を起こすことが出来ますが、
モーターの回転数はそこまで高くなくて、高い吸引圧力を出すことが出来ません。
小型の集塵機には、強いものだと19㎪もの静圧を出せる機種があるのに対し、
大型集塵機はせいぜい2~3㎪ほどしかありません。
これは「軽くて空中に散乱するような粉塵を吸引する事は得意だけれど、
ワークに付着した異物を持ち上げるように吸引する事は苦手」という事を意味します。
この辺りの内容は過去に記事にまとめて配信しておりますので、
ご興味がありましたら合わせてお読みください。
小型集塵機のメリット③装置と連動する事が可能
これが一番良い点かもしれません。
小型集塵機は設置場所ごとに電源があるので、PLCにて他の装置と連動して電源の入切を行う仕様にする事が出来ます。
ベルトコンベアが動くと集塵機も自動で運転が始まる。みたいなことが出来るので、
電源の工場のDX化にも対応しており、とても使い勝手が良いです。
非常に便利な機能ですが、この仕様に対応できる機種と、そうでないものがありますので、
購入する前に必ずメーカーに問い合わせてください。
小型集塵機を推奨する事例
小型集塵機は、以下のようなシチュエーションで使用する際に大きな強みを発揮します。
小型集塵機の事例①設置空間に限りがある時
製造ラインに集塵スペースを組み込むという事例で起こり得ますが、そもそもどの工程でどれだけの粉塵が発生するかは、
いざ製造してみないとわからないので、限られたスペースで粉塵対策を講じなければならないことがあります。
例えば、本来であればΦ200のダクトを繋ぎたいが、
ダクトが通る隙間が150㎜しかないなどの制限が入ったりします。
大型集塵機を利用してこの課題を克服するには、分岐ボックスをどこかに設置しなければなりません。
もちろん物理的には出来なくもないのですが、分岐ボックスの設置場所を確保しなければなりませんし、
仮に確保できても、ダクトの位置を動かすことが出来ないので、後に位置を変えたりすることは簡単ではありません。
その点、小型集塵機を複数台設置すれば、後で位置を変えたりすることも容易ですし、
左右片側だけ吸引力を落としたりするなどのトライ&エラーで徐々に改善させることが出来ます。
小型集塵機の事例②吸着コンベア
シートなど、比較的薄くて軽いワークを除塵する場合、吸引力が強すぎてワークごと吸い上がる場合があります。
本来であればボリュームを下げるのが一般的ですが、吸引できる粉塵量も比例して落ちますし、
中には風量の制御ができない集塵機も存在します。(ON/OFFスイッチのみ)
その解決策の1つとして「パンチング加工のテーブルで下からも吸引をかける」という方法があります。
小型集塵機の事例③下から異物を吸引する時
弊社が一から装置を設計する際、重力を考慮し、空気中に舞い上がるような軽い粉塵であれば上に吸引口を設置し、
空気よりも重たい粉塵は、エアブローなどにより一旦ワークから叩き落として、下側に吸引口を設置する傾向があります。
小型集塵機は、集塵機の上にワークを直置き出来ますが、大型集塵機はダクトのスペースを考慮しなければなりません。
以上、3つご紹介しましたが、共通して言える事は、「天井からダクト配管を引っ張るのは割と大変」という事です。
大型集塵機であれば電源管理が1箇所しかありませんが、
弊社の小型集塵機であれば操作盤上に電源スイッチを持ってきて他の装置と連動した運転を行う事が出来ますので、
非常に使い勝手が良いです。
異物除去に適した集塵機を選ぶ
吸引圧力の重要性
検索エンジンで「集塵機」と調べれば沢山の候補が出てきますが、
それぞれの特徴や能力を詳しく理解している方は極めて少ないと思います。
誰もが使う化粧品や日用品ですら細かい特徴を理解している人が少ないのに、
より専門的な機械になると当然顧客の認知度は下がります。
そのため、どうしても価格やネームバリューで決めがちになってしまいます。
集塵機においては、風量と静圧の関係性を無視して選定する事は出来ないので、
単に風量が大きければ沢山粉塵を吸う事が出来るという訳ではありません。
ワークに付着している異物を取るのであれば、高圧型の小型集塵機が推奨され、
空中に散乱した異物を取るなら、風量型の大型集塵機が推奨されます。
目的に応じた集塵機を選定する事が歩留まり率の向上へと繋がります。
思う様に粉塵が吸えていないと感じる場合は、集塵機の「性能曲線」を確認する事をお勧めします。
購入先や製造元に問い合わせると貰える資料なので、是非試してみて下さい。
もしもそれでも解決しない場合は、弊社のような専門メーカーに問い合わせてみるのも良いでしょう。
DSシリーズの威力
付着異物の対策を行うにあたって、吸引圧力の重要性についてお話をしましたが、
この静圧がとても強い集塵機をご存じでしょうか。
ワークに付着した異物をピンポイントに吸い上げるための集塵機、DSシリーズという製品です。
コンパクトなのに最大19㎪の静圧、最大風量7㎥/minの能力を持っているので、
限られたスペースに集塵空間を作ることが容易になりますし、吸着コンベア用として使用する事も出来ます。
そして、集塵機に必要な能力に加え、「他の装置との連動運転」が出来るのがとても使いやすいと好評いただいております。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
集塵機の能力を無効化しないために
製造工程での粉塵が問題となった時、多くの方は集塵機の購入や買い替えを検討します。
間違いではないのですが、
「どんな高性能な集塵機でも、フードの設計を間違えると能力は半減する」
ということを是非お知りおき下さい。
接続ホースの径がマッチしていればOKとお考えになる方も多いのですが、
どんな環境でも使える集塵ノズルというものはこの世に存在しません。
フードの形状、面積、設置する向きなど、細かいところまで考える必要があります。
そのため、形式上はしっかり除塵しているはずなのに何故か歩留まりが向上しないとご相談頂く件数が年々増加しております。
言い換えれば、すぐにお金を使って集塵環境を作るのではなく、
まずは自分達で何パターン化試してみることがとても大切とも言えます。
たった一つの工夫で年間数百万円分の不良在庫を減らせた事例もあるので、
まずは思うがまま色々と試してください。
それでも改善しない時には、私達のような専門メーカーもございますのでお気軽にお問い合わせください。
さいごに
以上が「小型集塵機のメリットについて」でした。
いかがでしょうか。
粉塵の発生量が多いイコール大きい集塵機を買わなければならない。とお考えの方も多いと思いますが、
小型集塵機もメリットが沢山あるという事をご理解頂けましたでしょうか。
ホコリ対策の手法は何パターンもあり、お客様の状況によって毎回変わります。
見様見真似でやってみて成功することもありますが、大幅な改善が絶対に必要な場合は、
遠慮なく専門メーカーにお問い合わせ頂ければと思います。
異物・ホコリ・粉塵対策でお困りの方は、まずは弊社のような専門メーカーにお問合せ頂く事を強く推奨致します。
株式会社ディーオは、設備環境改善に関するカウンセリングを無料で行っております。
ありがとうございました~。
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